【経験から学ぶ】栄養士として働いている際に得た栄養知識

【経験から学ぶ】栄養士として働いている際に得た栄養知識
・献立作成の場で学んだ4つのこと
・調理をする上で信頼関係がとても大切
・栄養相談は相手の性格を見抜くことが大事

献立作成から得た栄養学

毎月、女子なのに頭がハゲそうになるくらい、悩みに悩んで取り組んだ業務の一つに献立作成があります。
私たち栄養士が施設側と給食会社の板ばさみになることも多い業務ですね。
しかし、そこから多くの大切なことを学びました。

学んだ4つのこと

1つ目は、限られた予算と食材で、料理にバリエーションを持たせ、嗜好を満たせる献立を作るために必要な栄養知識です。
新米の私に「容赦」と「妥協」は致しません!がモットーな米倉涼子似の先輩から多くのことを学びました。
食事とは、利用者様にとって数少ない楽しみの時間だということ。マンネリ化に注意すること。
1日の中で、なるべく同じ食材を使わず、飽きさせない工夫をすること。
実際に自分で食べて、感じて責任を持った料理を提供する努力を怠らないようにすること。
行事・イベントの際は、自分も給食会社と協力して厨房に立ち献立を盛り上げること。等々を教え込んで下さいました。
鬼のような先輩ではありましたが、私を一人前に育てたいという想いで一生懸命に教えて下さった事は、とても良き思い出となっています。

2つ目は、「知らない調理法を学べた」ということ。
私たち人間は、習慣の生き物です。
業務として、調理に携わることで、様々な調理法や機器に触れ、料理のレパートリーが格段に上がりました。
その知識は、家庭ではもちろん、婚活でも「管理栄養士で料理が得意です!」と言うと振り向き率が上がりましたよ!笑

3つ目は、「食材の組み合わせを学べた」ということ。
時折、「この組み合わせはあり得ない」と思うような献立も出てくるのではないでしょうか。
恐る恐る検食をすると「アレ?美味しい!」と自分の小さな固定概念を壊す体験が幾度となくあり、
その体験で得た知識を料理として友人や家族に振る舞い、とても好評ということも幾度も体験しました。
なんでも、「やってみる」「作ってみる」「決めつけない」という大切さも学ぶことができました。 

4つ目は、「日本全国の郷土料理を学べた」ということ。
毎月、イベント食として、郷土料理を提供していました。
同じ日本ですが、気候の違い、地域性、県民性が垣間見える郷土料理は、非常に興味深く、「行ってみたい、食べてみたい」と食が大好きな私にとって斬新且、新鮮でした。
旅行に行く際は、「これを絶対食べて現地の味を確かめてみよう!」と一人で盛り上がり、旅の満足度も非常に高めてくれました。

献立作成は調理担当者との信頼関係が大切

給食会社の皆さんと、良好な関係を保ち「お願いできる」環境を整える対人関係スキルは必須です。
人員の出入りも激しくマンパワーの変動は日常茶飯事。
私の提供してほしい料理と、相手の対応可能範囲の調整にも苦労しました。
頭ごなしに「新規メニューとして採用して欲しい」と依頼しても、衝突が起こるばかりで、関係性が氷点下以下に冷え込み悔し泣きをした経験からの学びは、給食会社が抱える苦労を理解し、わたしも協力する姿勢を見せることの重要性です。
また、施設側の無理難題な欲求を跳ね返す強さも時として必要でした。
施設、給食会社の垣根を越えて信頼関係を築く為の努力をすることの大切さを学びました。
たかが献立、されど献立。マンネリ献立にすれば、衝突も無く、簡単、安定、平和は守られるでしょう。
しかし、栄養士として十分な役割を果たすことはできないと考えます。利用者満足度も下がっていく一方なのではないでしょうか。
献立作成は一人の人間としても、栄養士としても成長した業務だったと感じています。
産みの苦しみでもある献立作成ですが、対象者様の笑顔を浮かべて、毎月尽力される現役栄養士の皆さん!一緒に頑張っていきましょう!

デスクワークの効率化

大量調理の現場では、料理ごとに調理所要時間が異なります。
「仕上がり」を揃える為に、逆算調理をする必要がありますよね。
また、当たり前のことではありますが、一定の品質を保持するために調味料や食材の計量は必須です。
私は、大量調理を通して、地味な業務こそ確実に行う大切さを学びました。
その2点を生かす事で、効率的にデスクワーク業務を遂行する事ができるようになったと感じています。
デスクワーク、書類作成には、締切、月内の繁忙時期(初旬、中締め、月末)が必ず発生します。
そこから逆算し、仕事の優先順位を付けると、スムーズで、落ちの無い書類作成と提出を行うことができるようになりました。

まとめてやらず毎日コツコツ進める

食事箋のダブルチェック、献立名と数値の確認、入退所、入退院に伴うカルテ処理、食数の増減処理等、とても細かで、見過ごしたくなる業務です。
月末に一気に処理する事も可能ですが、私は、発生した当日内の処理を徹底しました。
なぜなら、処理数とミス発生確率は比例するからです。
地味な業務こそ、面倒がらずに確実に行うことで、正確さと信頼を得るために必要不可欠な要素となります。
栄養士は、一人職場が多く確認してくれる相手もなかなかいないですよね。
マイペースな仕事が出来る反面、全てが自己責任となりやすい現場でもあるので、上記の2点を徹底する事で効率的かつ信頼を得る業務遂行に繋がると思います。

栄養相談のコツ

栄養士の当たり前と患者様の当たり前には、大きな差があります。
栄養学的数値や、模範的な回答は、栄養士としては満点かもしれません。
しかし、患者様にとっては、宇宙人と話すような感覚になられることもしばしばあるようです。
私も何度か、直接お叱りを受けたことで多くの気づきを得たように思います。

日常生活で目にするものを取り入れる

そこで、大切なのは、日常生活での「証拠」を集めることだと思います。
例えば、パンの栄養表示の一覧表や、実物大のお茶碗とその栄養価。
大きな文字で、誰が見てもわかる資料を準備することです。
日々何気なく買い物に行くのではなく、そのような部分にも目を配ることで旬な話題も話のネタとして持つことができるのではないでしょうか。

相手の性格や気持ちを考慮する

人間は感情の生き物であることを念頭に置いて栄養相談を行うとより成果が出やすいと感じています。
いくつになっても、「褒められる」「頑張りを認めてらえる」ということは、喜びとモチベーションの維持に繋がります。
栄養相談を行う際、患者様から「あんたはよく話を聞いてくれるな。あれ駄目、これ駄目と言われるのが怖くてここに来たくなかったけど、あんたの言う事なら話聞くわ」と言って下さる方も多数みえました。
私は「具体的な数値で説明」「感覚や図表を使用して説明」等、相手の性格も考慮した相談を実践し、やる気とモチベーションを維持していただけるような栄養相談を心掛けています。
栄養相談で患者様が気づき、自ら変えていきたいと思えるようなお声がけや、説明方法を選択できるように私も日々奮闘する毎日です。
全国の最新の栄養情報も学び、アップデートを重ねてよりよい内容が提供できるようにお互い頑張っていきましょう!

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