【体験談】私が管理栄養士を志してから、国家試験に合格するまでの道のり

【体験談】私が管理栄養士を志してから、国家試験に合格するまでの道のり
・摂食障害を克服するきっかけになった管理栄養士さんとの出会い
・心身ともに健康であることの重要さ
・管理栄養士に合格するための学習法とモチベーション管理

はじめまして、私は現在病院で働きながらライターとして活動している管理栄養士です。
今回は私が管理栄養士を目指すきっかけになった出来事と、栄養士試験に合格するために努力したことについてお伝えします。
同じような境遇で管理栄養士を目指している方はぜひ参考にしてみてくださいね。

私が栄養士を目指したきっかけ

摂食障害に悩んだ高校時代

私が管理栄養士を志したのは高校生の頃でした。
2年生の12月、私のBMIは13を切って、周囲からは骸骨と呼ばれるくらい痩せていました。
クラスメイトは心配で腫れ物に触るような感覚で私と接していたそうです。
私が患ったのは、摂食障害(拒食症)です。
そんななか、とある病院で出逢ったのが私の運命を変えた「白衣の管理栄養士さん」でした。

白衣の管理栄養士さんとの出会い

「このままでは死んでしまうよ。」彼女の一言で私は現実に引き戻されました。
彼女も摂食障害を経験していて、「同じ悩みを抱えて悩む女性を救いたい」という一心で管理栄養士になったという話を聞きました。
それまでの私は、どれだけ痩せていると言われても「絶対太っている」と思い込んでいました。
どの病院に行っても、薬の処方と、「食べないから駄目なんだよね」といううわべの話ばかりで、いつしか私は、心を開く事さえ諦めてしまっていました。
しかし、彼女は全く違ったのです。私自身への共感、厳しさ、そして、包み込むような暖かさや愛情をもって私と接してくれました。
「まだ、死んじゃ駄目だ。回復したい」そう思った瞬間でした。それから体重は回復して、私は「栄養士」を目指す進路を選択しました。
そして努力の結果、市立の短期大学に無事入学することができました。
3年間の実務を経験しなければ管理栄養士にたどり着けない厳しい道でもありましたが、夢と希望に満ち溢れた入学式だったことを今でも鮮明に覚えています。

うつ病を通して体感した「心身ともに健康」であることの重要さ

しかし、短期大学に入学した私はうつ病で1年間休学することになりました。
ある出来事をきっかけに、学校に通えなくなるほどメンタルがぐしゃぐしゃになりました。
半年は頑張ろう。その一心で半年間を過ごした苦い思い出でもあります。しかし、その経験からも大きな学びがありました。
それは「摂食障害」と「うつ病」がなぜセットで起こりやすいのかという事でした。
摂食障害は、体と脳に絶大なダメージを与え、正常な思考を奪うものです。
そこに精神的負担が加われば、人間は崩れてしまうのは当然です。
摂食障害は、痩せたいという意思があり、体重の増減が起こる病気です。
しかし、うつ病時は食べたいという感情と摂食行動があるのにも関わらず、太れない、下痢になり全てが体外に排出されてしまうという真逆の現象を体感したのです。
心と体は繋がっていることや、「心身ともに健康」である事の重要さを体感できた2つの経験は、今の私にとって、大きな意味と管理栄養士としての信念を与えてくれた出来事だったと今は感謝しています。
その後短期大学を無事卒業し、栄養士免許を取得しました。

管理栄養士になるまでの道のり

働きながら挑戦した初回試験での管理栄養士合格

短期大学を卒業後、「商品開発」がしたいという夢と「シフト制の会社で働きたい」という思いで、地元の食品会社に就職しました。
店長業務、早朝出勤、長時間の通勤等、社会人の厳しさを体感しました。
その会社は、1年で退社をしましたが、社会人としての基礎を叩き込んで下さった素敵な先輩方に感謝をしています。
次に入社したのは、老人保健施設です。
入社理由は、「①管理栄養士業務を学べる現場で働きたい②土日休み③通勤時間〇分以内④外部勉強会に積極的に参加できる会社」だったことです。
入社時、会社側から提示されたもう1つの条件は、実務経験終了、初回試験で管理栄養士に合格することでした。
「リスクしかないのではないか?」と思われるかもしれませんが、「絶対に欲しい物」に対して、自身でプレッシャーをかけることで国家試験合格を勝ち取れたのだと確信しています。
仕事と勉強の両立は、大変な部分も多くありましたが、その先のビジョンや長期目標を常に持つことでやる気とモチベーションを保つことが非常に大切だと感じています。

試験勉強のコツとモチベーションを保つ方法

私が勉強に使用した教材は、クエスチョンバンク1冊と、1年間分の実力模試です。
老人保健施設に入社すると同時にクエスチョンバンクを購入し、1か月単位で読み込み、ノートをまとめ、演習問題を繰り返し解きました
全章を3回転やり切った後、過去模試10年分を試験と同様のタイムスケジュールで行いました
実力模試は満点になるまで間違えた問題を繰り返し解きました
なかなか得点が伸びず、もう辞めてしまいたいと何度も挫折しそうになりましたが、会社との約束や、長期目標である「白衣での病院管理栄養士となる事」のために今努力をするとモチベーションを保つことができました。
また、常に根を詰めていては継続することが困難となってしまいますので、目標を達成するたびに、適度な息抜きや自身へのご褒美(好きな食事をする。買い物をする。好きな場所に行く)を行っていました
自己学習では、苦手な分野をつい飛ばしたくなったり、分かったつもりで進みたくなったりすることもありますが、模試は嘘をつきません。
苦手な分野こそ、1つ1つ丁寧に時間をかけて、本質を理解することが必要です。そのおかげで無事に試験合格を勝ち取れたと感じています。
管理栄養士は、大学を卒業して試験に臨むことが最短であり、理想の形であると言われていますが、それぞれの状況や置かれた立場もあるので、正しい道はあってないようなものなのだろうなぁと、感じています。
ちなみに、現在の私は、管理栄養士を志したきっかけである「病院管理栄養士」として勤務をしています。

最後に~管理栄養士を志す皆さまへ

願ったこと、思ったこと、本気で実行したい事を決めること、そして実現させる力は、実は誰しもが持っていると私は考えます。
「あなたはなぜその仕事を志したの?」という根本の動機を明確化できると全ての物事が進みだすとも思います。
今年もあと数か月。年があければ国家試験がやってきます。
一人でも多くの学生さんや、管理栄養士を志す皆さんが喜びの結果を掴み取れることを、私も心から祈っています。

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