現役栄養士インタビュー
大阪栄養士ナビのインタビュー第二弾をお届けします。
第3回の記事では、それぞれの職場で大変だったことなど
介護福祉施設と社員食堂の違いをさらに深堀りしました。
Y様インタビュー第3回:介護福祉施設と社員食堂の仕事の違い
―――それぞれの職場で大変だったことを教えてください。
そうですね…。まず、社員食堂で大変だったことは、とにかく作る量が半端じゃないってことですね。毎日数百人分の食事を作らなくてはならず、一つのメニューを作るための材料も半端じゃないです。初めて職場を見た時は、巨人のキッチンかと思うくらいお鍋が大きかったので驚きました。
野菜の量も半端なくて、麺類に使う刻み葱を、早朝から何時間もひたすら刻み続ける日もありましたし、ゆで卵の殻を何百個もむき続けることもありました。
やっぱりそれだけの量を作るには、相応の体力が必要です。
毎日仕事が終わるとヘトヘトでしたね。
―――社員食堂はホントに体力が必要なんですね。介護施設はいかがでしょうか?
介護福祉施設では、一人一人の健康状態を把握することも大変なんですが、それよりも皆がおいしいと思ってくれる食事を提供することが一番大変なんです。
お年寄りの方って、好みが分かれてしまうんですよね。
洋食を好んで食べてくれる方もいれば、和食しか食べたくないという方もいます。
どちらも満足してくれる食事を考えるのは相当難しいです。
―――全ての人の好みに合わせるのは難しそうですね。
それだけでなく、病気や障害で普通メニューが食べられない方もいます。
流動食や減塩メニューって、どうしても味が悪くなってしまうんですよね。
だから食事に満足できないという方も出てきてしまいます。
どうせ作るなら「おいしい」って言ってもらいたいので、許される範囲内でできるだけおいしい献立を考えたいと、毎日頭をフル稼働して考えています。
栄養士はブランクがあっても再就職がしやすい?
―――前職の経験で現職に活かされていることってありますか?
もちろんありますよ。まず野菜を刻むのが早くなりました(笑)
下準備が早いと、全体の作業効率があがるので、前職の経験はとても活かされていると思います。
あとは調理スタッフさんの気持ちがわかるというのも大きいですね。
職場によっては、栄養士が調理に全く関わらないというところもあり、栄養士と調理スタッフで対立してしまったりすることもあるんですよね。
でも、前職で調理を担当していたので、現場の気持ちがとても分かるんです。これも前職のおかげかなと思います。
―――前職から現職まで、ブランクがありましたが再就職は大変でしたか?
そうでもなかったですね。前職で7年の経験もありましたし、栄養士として働く人が不足しているので、再就職で困ったという事はありませんでした。
ただ、介護福祉施設の栄養士として働くのは初めてだったので不安はありましたね。
それに以前とは違って小さな子供もいるので、何かあったときに休んだりできるかどうか、という点も不安に感じていました。
ありがたいことに、現在の職場は私の外に管理栄養士が働いていて、その方も同じくらいの年齢のお子さんがいるので、お互いに助け合いながら働くことができています。
融通を利かせて働くことができるというのは、再就職の際に一番重視した点ですね。
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