【栄養豆知識】特定保健指導という仕事について

【栄養豆知識】特定保健指導という仕事について
・「特定保健指導」とはどのようなお仕事なのか
・「特定保健指導」のやりがい
・「特定保健指導」に向いている栄養士とは?

皆さんは、管理栄養士として働く職場や分野として思い浮かべるものには、どのようなものがあるでしょうか?
病院だったり、高齢者施設だったり、給食作っている人だったり・・・。
管理栄養士といっても様々な働き方があります。
今回は、管理栄養士の働き方の一つ、「特定保健指導」についてお話ししていきたいと思います。

「特定保健指導」のお仕事内容

「特定保健指導」という言葉は聞いたことがあるでしょうか?
「特定保健指導」とは、生活習慣病予防健診(特定健診)を受けた後に、メタボリックシンドロームのリスク数に応じて、生活習慣の改善が必要な方に行われる保健指導のことを指します。
健診結果をもとに、皆さんがご自分の健康状態を把握しながら、よりイキイキとした毎日を送られるようになることが目的です。

特定保健指導のタイプ(積極的支援と動機付け支援)

指導の対象者は、前述したリスク数に応じて「積極的支援」と「動機付け支援」に振り分けられ、それぞれ支援方法が異なってきます。
それぞれの支援方法の振り分け方は以下の通りです。

1.内臓脂肪型肥満(腹囲とBMIで内臓脂肪蓄積のリスクを判定します)
内臓脂肪型肥満A 腹囲:男性85cm以上、女性90cm以上
内臓脂肪型肥満B 腹囲:男性85cm未満、女性90cm未満かつBMI:25以上

2.追加リスク(健診結果・質問票より追加リスクをカウントします)
(1)血糖 空腹時血糖値※100mg/dl以上またはHbA1c 5.6%(NGSP値)以上
(2)脂質 中性脂肪150mg/dl以上またはHDLコレステロール40mg/dl未満
(3)血圧 収縮期血圧130mmHg以上または拡張期血圧85mmHg以上
(4)喫煙歴 
…(1)~(3)のリスクが<1つでもある場合にリスクとして追加
※H30年4月1日以降の健診では、やむを得ない場合、随時血糖を用いる。

以上のリスクを踏まえて、特定保健指導のタイプが決定します。

「積極的支援」
内臓脂肪型肥満Aでリスクが2つ以上、内臓脂肪型肥満Bでリスクが3つ以上

「動機付け支援」
内臓脂肪型肥満Aでリスクが1つ、内臓脂肪型肥満Bでリスクが1つ~2つ

初回面接

対象となった方が全員はじめに受けるのが、初回面接です。
ここでは、「特定保健指導」の仕組みや、なぜ今回引っかかってしまったのか?をご説明し、今後の生活習慣や食習慣を見直していただく貴重な時間となっています。
この時に対象者様に直接お話を伺いながら、この先の生活習慣を改善するにあたって、行動目標設定を一緒に行っていきます
その後、手紙やメール、電話、面談の支援で、ある一定期間ごとに日々の状態をお伺いする時間を設けさせていただいています。
それぞれ面談や継続的な支援は、管理栄養士が担当します。

面談を行う場所は、各対象者様の勤める会社へ訪問することがあったり、自宅で行うことがあったり、近くの喫茶店などで行ったりします。
最近では、Webのビデオ通話を使用して、面談を行うところも増えて来ており、対象者や面談を行う私たちの時間の効率性が上がっています

「特定保健指導」の業務の割合が多い職場

特定保健指導は健診センターを併設する病院やクリニックなどで行うところもありますが、実際のところはそれぞれ事業所の健康保険組合が、特定保健指導サービスを提供している会社に委託をし、そこの会社に登録しているスタッフが直接面談や支援を行うことが多いです。

「特定保健指導」のやりがい

「特定保健指導」の仕事のやりがいとしては、継続的に最初から最後まで同じ方を担当する場合、結果が目に見えて分かったりするので、一緒に頑張れたなどの時は、自分のことのように嬉しくなったりという気持ちが味わえることではないかと思います。
また、それだけでなく、実際に取り組むことで、過去のデータから改善が見られた場合、自分が担当していなくても、「この方はしっかり取り組まれて頑張ったんだな・・・」ということも分かったりするので、その喜びがやりがいに繋がったりしています。

「特定保健指導」業務に必要なスキル、業務を通して成長できること

必要なスキルとしては、「特定保健指導」とはいえ、一般的な栄養指導と変わりません。
ある一定の血液検査データが読めるになっておくことは必須項目です。
また、直接、対象者の方と関わるので、当たり前ですが社会人としてのマナー(身だしなみ・敬語・立ち振る舞いなど)を身につけておくこと、コミュニケーション力は必須項目であると感じます。
また、難しい専門用語で話しても、対象者の方は、専門知識はないので理解をしてもらえません。
わかりやすく話を噛み砕いて説明するスキルも必要です。

「特定保健指導」に向いている栄養士

「特定保健指導」のお仕事は病気になる前の予防医療に携わりたいと思う方、病気になってからでは遅いことを真剣に伝えていきたい方に向いていると思います。
逆に、治療の域で活躍したい人にとっては少し物足りないかもしれません。

また、「特定保健指導」の仕事は、業務委託で登録制の仕事である場合が多いため、自分でスケジュールや仕事量が調節できます
そのため、子育て中でなかなか長時間家を開けられない方や、保育園のお迎えの時間まで働きたい方、フリーランスで働いている方などにおすすめの仕事です。

少し厳しいことをいうと、「特定保健指導」だけの仕事で正社員並みに稼ぐことは難しいといっても良いでしょう。
繁忙期と閑散期ではかなり収入の差があるため不安定な仕事の部類に入ると思います。
しかし、実際に栄養指導の経験を積めるのでスキルアップのための選択肢として考えるのにはおすすめの仕事です。

まとめ

いかがだったでしょうか?
まだまだ私たち栄養士の中でも、「特定保健指導」の仕事って、「どうやって見つけるの?」「どうやったらできるの?」「そもそもそんな仕事存在するの?」などと疑問を持っている方も多いはず。
この記事を見て、少しでも、「特定保健指導」の仕事について知っていただけたら嬉しいです。

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