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【体験談】保育園栄養士の1日・月間・年間のルーティーン

    2020.02.07
    【体験談】保育園栄養士の1日・月間・年間のルーティーン

    保育園栄養士の1日・月間・年間のルーティーンについて

    私が勤務していた保育園では管理栄養士が1名、常勤勤務の調理師が3名、非常勤のパートが2名の計6名、在職していました。
    平日は0~5歳児の園児と職員を合わせて280食の昼食・3時のおやつを手作りで提供しました。
    また、病後児保育、0~2歳児の乳児の10時のおやつ、19時半までの延長保育の園児のおやつ、土曜保育の昼食・おやつ、食物アレルギーをもつ園児も20人程いましたので、アレルギー食品の除去・代替食も提供しました。

    1日のルーティーン

    出勤体制は早出出勤と普通出勤の2形態です。
    白衣と給食帽、マスクを着用し、給食室に入室。体調管理チェックを行い、手洗いをします。
    毎朝、栄養士が朝礼をおこない、献立ごとの離乳食・代替食等読み合わせをして、各担当のアレルギー食の人数や種類の把握をします。
    当日使用する野菜等の生鮮食品は前日に届いているので、切る作業に取り掛かります。
    肉や魚類は当日朝に届くよう手配し、検品・検収します。
    調理師はローテーションで献立ごとに事前に栄養士が役割分担をします。手のかかるメニューは、栄養士が補助で調理に入ることも。
    調理師が欠勤の際、そのポジションに栄養士が入ります。
    日によって、発注等の事務仕事をする、保育室にて園児たちへ食育を行う、調理をすると臨機応変に対応します。
    そして給食提供前に施設長に給食・おやつの検食をしてもらい、味の濃淡、見た目について等、指摘を受けます。

    給食・おやつはクラスごとの配膳になります。
    アレルギー食品の除去・代替食のある園児については個別に盛り付けを行い、食札をつけます。
    配膳前に栄養士と調理師の二人体制でアレルギー食の有無のチェック。
    また、給食をクラス担任が運ぶ際も栄養士とクラス担任とでアレルギー食のチェックを行い、配膳ミス、誤食をふせぐようにこころがけます。

    0・1歳児については離乳食期で個々に段階が違いますので、食事の提供後に食事の介助をします。
    その際、食べやすさや野菜の切り方や大きさ、つぶす加減は良かったかどうか、などこまめにチェックします。
    また、2~5歳児の食事の提供後、お箸の持ち方や食事のマナーの指導、メニューの好き嫌いなど把握するために見て回ります。しかし、ノロウイルスなどの胃腸炎等の感染症の流行る時期の入室は控えていました。
    昼休憩の際、昼食をとると共に、各クラスの巡回の内容など調理師とシェアします。

    昼からは栄養士は事務所での事務作業に移ります。
    栄養日報を栄養価計算ソフトで打ち出し、発注量の把握や献立ごとの代替食・離乳食を書き込みます。
    おやつ提供時も施設長の検食、給食同様にアレルギーチェックを行います。
    調理終了後、調理師に給食室内の掃除をしてもらい、衛生管理チェックを行い、明日の段取りの説明をして終業となります。

    月間のルーティーン

    月の半ばまでには翌月の給食・おやつの献立表を作成し、施設長に確認してもらいます。
    修正等行い、各メニューに対して、アレルギー食品の番号づけをします。
    翌月に新メニューを追加する場合は、おやつ作りの作業時間が短い日に並行して試作し、施設長や調理師に把握してもらいます。
    発注作業は、業者によっては月に一括で発注する、一週間ごと等、様々でしたので、それに応じて優先順位の高い順に取り組みます。

    翌月にクッキング活動や食育活動をする予定のある月齢のクラスは、担任と食育記録表をもとに、その年齢に応じてどんなことができるか話し合い、詳細を決めます。
    月末には各年齢のクラス代表を集めた全体集会があり、栄養士が出席します。
    当月分の給食・おやつをクラス担任に振り返ってもらい、メニューの食べが悪かった、良くなった等、情報共有します。
    翌月の食事の献立表を配布し、自分のクラスの食物アレルギーをもつ園児に対しての確認のためにメニューの読み合わせを行います。
    話し合いの内容を休憩時間に調理師に伝え、翌月のメニューの改善にどうすべきかを案を出し合います。
    毎月の献立表と隔月で食育だよりを作成し、各家庭に配布します。

    年間のルーティーン

    毎月、当月のお誕生日会が行われ、その日の給食とおやつはお誕生会メニューを提供。
    季節ごとの野菜などを直接見せて、年齢に応じたクッキング活動や食育の一環として取り組みます。
    全年齢に対して保育参観の行事もあり、給食試食会もあります。園児の年齢ごとにリーフレットを作成し、食育について話す機会や保護者から質問を受ける場もあります。
    春には新入園児を迎える会、夏には七夕会、秋には焼き芋会、冬にはお餅つき、クリスマス会など行事に応じたメニューを考え、提供します。
    年度末には園児<>全体でバイキング給食を提供し、学年を縦割りにして他学年との交流を図ります。
    入園説明会では、食物アレルギーをもつ入園予定園児がいる際、栄養士と保護者との面談、また生活管理指導表を配布し、医師への診断をもとにチェック用を提供する旨も説明します。
    また、離乳食期の園児に対しては園で提供する食材を表にまとめたものを配布し、食べたことがあるかどうかのチェックをつけてもらいます。
    これは月ごとに年間を通して、保護者もチェックして、初めて食べる食材は園ではなく、家庭で進めてもらうことで誤食を防ぐこと、離乳食の時期に応じて、保護者に対しても離乳食の段階に沿ってどんな食材が食べられるかの意識付けにも繋がります。
    年に一度、行政からの監査があり、衛生管理や栄養日報、発注書等もわかりやすくまとめます。

    まとめ

    保育園栄養士は通常の給食管理や大量調理を把握するだけではなく、園児たちに寄り添い、園児の立場に立ち、乳児食・幼児食の献立を考えることが大切です。
    栄養士だけでなく、調理師、保育士、看護師との連携も大切にして情報共有やコミュニケーション力が必要になります。園児がすくすくと育つ姿を1年通して感じられるのでとてもやりがいがあります。
    また、園児からの「給食、美味しかったよ。」「この野菜、食べられる様になったよ」と嬉しい言葉や手紙もたくさんです。