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【栄養豆知識】ご飯を食べるとき、本当は何から食べるのが正解?

    2020.04.16
    【栄養豆知識】ご飯を食べるとき、本当は何から食べるのが正解?
    ・血糖値や中性脂肪が気になる方は野菜から食べる
    ・消化器官が気になる方は温かいものから食べる
    ・全般的におすすめの食べ方は?

    毎日3食の食事のときに、あなたは何から食べていますか?
    野菜やきのこ、海藻類から食べる方、肉や魚から食べる方、お米や麺、パンなどから食べる方、味噌汁やスープなどの汁物から食べる方、特に何も気にせずに、自分の好きなものや気になるものから食べるという方もいらっしゃるかと思います。
    実際のところ、何から食べるのが正解なのでしょうか?
    個々の目的によって、これから食べるのがいいよという分類と、トータル的に考えてこれからたべるのがいいよという分類、それぞれの食べ方に合う目的や理由がありますので、これから一つずつ順番にお伝えしていきますね。

    症状別のお悩みに対するおすすめの食べ方

    まずは症状別の悩みに対するおすすめの食べ方についてお伝えします。

    野菜から食べるのがおすすめな方

    ・食後血糖値の急上昇を抑えたい方
    ・食べる量を減らしたい方
    ・中性脂肪やコレステロールの高い方
    ・食べるスピードが速い方

    野菜には食物繊維が豊富に入っており、野菜をまず一番に食べることで、後から食べる食べ物に含まれる糖質や脂質を吸収する前に腸内で食物繊維がいくらか絡めとって便として出してくれるため、血液中に吸収する糖質や脂質の量を減らすことができます。

    血液中の糖質・脂質の量が減らせるということは、血糖値や中性脂肪などが一定以上の高い数値になる糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病の予防にも繋がります。

    また、食事の初めに糖質や脂質の多く含まれる食品よりも先に、野菜から先によく噛んで食べることで、満腹中枢が働き糖質や脂質の多く含まれる食品の食べる量自体を減らすことができます。
    そうすると、血液中で余分になる糖質や脂質の量を減らすことに繋がるため、脂肪として体につくのを防ぐことも期待できます。

    反対に、あまり噛むことなく肉、魚やごはんなどから食べてしまうと、満腹だと感じるようになるまでに食べすぎてしまう可能性が高く、肥満や糖尿病、脂質異常など他の病気のリスクも上がってしまいます。

    味噌汁やスープから食べるのがおすすめな方

    ・体温が低めの方
    ・代謝が悪いと感じる方
    ・胃腸が弱い方

    味噌汁やスープなどの暖かいものを先に食べることで、消化器官が温まります。
    消化器官は温まることで消化や吸収のための働きが活発化し、消化が良くなるため、食べたものの消化をスムーズに行うことができるようになります。
    消化ができていないと、いくら食事からいい栄養素をとっていても、体のために使うことができないため、食べているはずなのに栄養失調といった状態にある方も実は多くいらっしゃいます。
    また、はじめに温かいスープなどを食べることで、体が内側から温まり、体温を上げる効果もあります。
    冷え性が気になる、体温が低めだ、といった方にもオススメです。

    トータル的に考えた時にオススメな食べ方

    ここまではタイプ別にみてきましたが、最後に栄養素の消化や吸収について、全体的にみたときにオススメの食べ方についてお伝えします。

    まずみなさん、野菜、肉魚などのタンパク質、ごはんなどの炭水化物のそれぞれが消化されるのに必要な時間について、聞いたことはありますか?

    実は、野菜は2〜3時間、肉魚類は8〜10時間、ご飯などは12〜24時間、消化にかかると言われています。

    消化に時間がかかるということは、それだけ胃腸に負担がかかるということです。

    先程お伝えした味噌汁やスープなどを先に食べることは、消化器官を温めて、消化に向けた準備期間を胃腸に与えることができます。
    そして消化に向けた準備が進みはじめた胃腸に、消化にあまり時間のかからない野菜やきのこ、海藻類を先に食べることで、ゆっくりと胃腸を動かしていってくれます。
    それから肉魚やごはん、麺などの消化に時間がかかり、胃腸に負担をかけるものを最後に食べることで、消化の効率も上がり、体への負担が軽く済むのです。

    私たちも準備運動をせずにいきなり運動をすると怪我のもとになったり、すぐにしんどくなってしまうと思うのですが、胃腸なども同じで、いきなり全力で消化しなければならないものを食べるのではなく、徐々に慣らしながら食べる方が体にとってもいい食べ方だと言えるのです。

    まとめ

    食べ方の順番についてお伝えしましたが、「よくわからないしなかなか覚えられない」といった方は、イメージとしては、懐石料理やコース料理などの出てくる順番で覚えておくといいと思います。
    スープや汁物から出てきて、徐々に野菜などから一品ずつ出てきます。

    ご自身で食事をするときにも、その順番を意識して食べるようにすると、忘れなくていいかもしれませんね。
    食べる順番の工夫を覚えておけば、例えば外食が続く時にも、なるべくこの順番に気をつけることで体にいい食事に近づけることはできると思います。

    ぜひ胃腸に負担をかけない順番で、食事を楽しんでくださいね!