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【栄養豆知識】今話題の完全食って何?本当にそれだけで人間は生きられる?

    2020.06.13
    【栄養豆知識】今話題の完全食って何?本当にそれだけで人間は生きられる?

    完全食だけで、人間は生きられる?

    皆さん、こんにちは。
    今回は、完全食についてお話します。
    今話題の完全食。皆さんは、召し上がられたことはありますか?

    ハードワーカーさんはもちろん、料理が面倒だと感じた時は、現代の便利で、有難すぎる文化ともなったファーストフードや、手軽さ万歳!な、菓子パン、ボリューム感でお腹を満たす事には長けている揚物類もチョイスされやすい商品なのではいなでしょうか。

    しかし中食やお弁当の問題点は、栄養価の偏りが問題となってきてしまいますね。
    おいしさや手軽さが先行し、栄養が二の次な食生活は、からだの不調はもちろん、精神への影響も懸念されますね。
    このような悩みを解決し、近年注目を集めている食事が、「完全食【パーフェクトフード】」というものです。
    この食事の定義を簡潔にまとめますと、「これさえ食べれば、栄養価は100点満点である食事」となります。
    それでは完全食について詳しく見ていきましょう。

    完全食とは

    完全食(完全栄養食)とは、生きるために必要な栄養素を十分に含んでいる食品
    1日に必要な栄養素量は、年齢や性別、運動量などによって個人差がありますが、一般的な指標は、厚生労働省の定める「栄養素等表示基準値」です。
    商品に表示されている「1日分の鉄分がとれる」「1日に必要はビタミンCの1/2を配合」などの文言は、主にこの基準値を元に表示されています。

    五大栄養素はもちろん、ビタミンやミネラル等の微量栄養素、栄養素は種類ごとに、必要量も全て異なりますが、完全食を取り入れることで、極端な栄養の偏りを防ぎ、毎日の食事のバランスを容易に整えることができます。

    ではここで、今回のテーマ。「完全食だけで、人間は生きられる?」に対する私なりの見解をお伝えさせていただきます!

    完全食生活でも生きれる

    確かに、完全食があれば、栄養素が過不足無く摂取できますので、生きていくことはできると思います。
    栄養学的に見れば、素晴らしい商品。素晴らしい食事ではあるからです。

    しかし、この食事のラインナップは、ドリンク・グミ・一部のパスタ風食品・パンという形で非常に限られており、味付けなどに関しても狭い範囲となっているのが現状です。
    今後、完全食の市場は発展してゆく兆しも大いに見せており、同行に注目が集まるものではあると思います。
    しかし、食事を楽しみたい。という方にとっては、寂しいものになるとも感じています。

    人間の三大欲求の一つでもある「食事」を楽しむことで、私達は、精神的な安らぎも得ているのではないでしょうか。
    ですから、私は、完全食を賢く取り入れながら、うまく付き合っていくことがよい方法なのではないかと考えます。

    長い人生、生きていれば、食事に時間を割いていられない状況であったり、健康を取り戻すためにダイエットに励みたい時期等もあることと思います。
    そんな時、このような現代技術の結集されたスーパーフードを賢く利用して自身の健康を守り、時間の有効活用をしてゆくと良いと思います。

    私も、管理栄養士という資格を持ち、日々働いていますが、時にはファーストフード・ジャンキーなお菓子も食べたくなるものです。
    食とは「人」を「良く」するものであるのが本来の姿なのですね。

    そこに、善悪、優劣をつける考え方ではなく、「美味しい」と心と体が笑えること。
    微笑んで食べられることが一番の幸せなのではないでしょうか。
    そんな時、この「完全食」は非常に有用であるとも考えます。

    ではここで、簡単に完全食のメリット・デメリットをまとめてみます。

    完全食のメリット

    ①自分の時間が増える。

    食事をたった数十秒で済ませられるので、圧倒的時短に繋がり、自由な時間が増えます。
    また、食事の準備が簡単なので、食事の準備時間とそこにかける労力・手間は無くなります。

    ②栄養が過不足なくとれる

    完全食での食生活に切り替えると、数値・定義上では、「生活に必要な栄養素を100%摂取」ですので、万全の栄養管理体制となります。
    健康を保つには、非常に有用であるとされています。

    ③食費管理が簡素化される

    完全食以外の物を排除し、食べない生活となると、一定の金額しか消費しなくなりますね。
    この考え方は、少し現実離れしているとも思われますが、金銭管理が簡素化することは間違いありません。

    では次に、デメリットをご紹介させていただきます。

    完全食のデメリット

    ①顎の力が弱くなる

    完全食は、咀嚼の工程が極端に減少します。
    顎の筋肉を一切使わないので、噛む行為自体弱体化してしまう可能性があります。

    ②コミュニケーションが激減する可能性がある

    食事はコミュニケーションの場でもありますね。
    数秒で終わってしまう完全食は、だれかと共に食べる【共食】という私たち本来がもつ人間らしさを奪いかねません。

    ③美味しいものに興味がなくなる可能性がある

    栄養・数値ばかりに気を取られ、それになれてしまうと、人間の欲である食欲が減退してゆく可能性があります。
    それは、人が人らしく生きる上で、少し悲しい気がしてしまいます。

    しかし、製品の内容や栄養価としては、素晴らしい「完全食」。
    賢く取り入れながら、健康な体とバランスのとれた食事を目指されると良いのではないかと思います。
    時代の技術革新の恩恵も受けながら、楽しく食べて健康!を目指してゆきましょう。

    コロナが蔓延しピリピリ緊張した不安な不安な毎日が続く今。
    おうち時間も長くなり、家族での共食も増えるタイミングだとも思います。
    食卓を囲みながら、楽しい食事のひと時を通じ、安心や安らぎ、絆を深めるタイミングかもしれません。
    みんなでこの危機を乗り切っていきましょう!