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現役栄養士インタビュー(1) 「勉強が嫌いな私が管理栄養士になるまで」

    2019.07.30
    現役栄養士インタビュー(1) 「勉強が嫌いな私が管理栄養士になるまで」

    現役栄養士インタビュー

    大阪栄養士ナビのインタビュー第一弾をお届けします。

    今回当サイトのインタビューにご協力いただきましたのは、
    三重県にお住まいの管理栄養士、渡辺愛理様です。

    渡辺様は現在フリーランスの管理栄養士としてご活躍されています。
    以前は総合病院と老人福祉施設に勤務されていました。

    管理栄養士の資格を取得するまでの経緯や、施設勤務時代に経験してきたこと、
    フリーランスを志したきっかけ、フリーランスの栄養士のお仕事内容についてたっぷり語っていただきました。

    インタビューは全5回に分けて公開予定です。
    次回は8月2日(金)に公開します。

    渡辺様インタビュー第一回:管理栄養士になるまで

    第1回の記事では、渡辺様が管理栄養士を目指したきっかけと
    資格を取得するために頑張ったこと、新卒で総合病院に就職するまでの道のり
    について語っていただきました。

    栄養士という仕事に興味をお持ちの学生の方や、
    管理栄養士の資格を取得するために勉強中の現役栄養士の方は
    ぜひインタビューの内容をご参考にしてみてください。

    ―――まずは自己紹介をしていただけますか?

    渡辺愛理(わたなべあいり)です。26歳で、三重県に住んでいます。今年で管理栄養士になって、5年目になります。

    今までは、総合病院に2年半、老人福祉施設に1年務めてきており、現在フリーランス管理栄養士として仕事をするようになり、今年の7月で1年になります。

    私が経験してきたことを少しでも多くの方の参考になればと思います。
    本日はよろしくお願いいたします。

    病院食がきっかけで栄養士の仕事を知る

    ―――さっそくですが、渡辺様はなぜ管理栄養士になろうと思ったのですか?

    私は、もともと幼い頃から、父がパティシエをしていたこともあり、小さい頃からの夢は、「パティシエ」になることでした。
    もともと勉強も苦手で、勉強するのが嫌すぎて(笑)
    高校は、普通科ではなく、家庭学科のある、いわゆる専門高校へ進学しました。
    もちろん入学したときは、勉強が嫌いだったので、卒業したら就職するつもりでいました。

    ―――小さな頃はパティシエが夢だったのですね。
    栄養士という職業があるのを知ったのは、いつごろですか?

    高校1年生の夏前のちょうど3者面談前だったと思います。
    大好きだった祖父が、病気で入院してしまい、病院生活になりました。
    そこで、祖父から聞いた言葉が衝撃だったのをいまでも覚えています。
    その言葉というのが、「こんなまずい食事なんか食べられるか」という言葉。
    この言葉を聞いた時、病院に入院している患者さんって1日の中で唯一の楽しみの時間が食事の時間。なのに、その時間ですら楽しみでないなんておかしい・・・そんなことを思いました。

    ―――病院食がきっかけだったのですね。

    そこから色々調べていくうちに、どうやら病院に「栄養士」という仕事があるらしいと知り、栄養士になると決めました。
    そのことを、1年生の夏の3者面談の際に、担任の先生に相談したところ、
    「栄養士は短大や専門学校を卒業したら誰でも取れるからたくさんの人が持っている資格。どうせなら、その上の管理栄養士という資格に挑戦してみたらどうか?」
    との提案を受けました。

    ―――確かに、管理栄養士の方が仕事の幅が広がりますね。

    そうです。食事だけに携われるだけでなく、もっと多くの方の栄養・健康に関する話を提供したかったので、管理栄養士を目指し始めました。

    管理栄養士の資格を取得するために、
    自分を信じて最後まで諦めず勉強に励む

    ―――管理栄養士って国家資格で取得が大変なイメージがあるのですが、取得するのに大変だったことや頑張ったことってありますか?

    先ほども少しお話ししたのですが、そもそも、私、専門高校出身だったんですよ。
    専門高校って、普通科に比べて調理実習などが多い分、普通科目、いわゆる一般教養の科目の勉強を最低限しかしていないのです。
    だから、まず4年生大学に行くっていう時点で、センター入試を受けるという選択肢がなくて、筆記試験がない指定校推薦で行くしかありませんでした。

    ―――それは大変ですね。

    校内選考に通るために、良い成績を維持しないといけなかったので、部活と勉強の両立が大変でしたね。
    その後、大学に入っても、一般教養の授業について行くのが必死で。
    一番印象に残っているのが、化学の周期表あるじゃないですか?
    あれ、高校で覚えなくていいって言われていたので覚えていなかったので、大学入ってから覚えました(笑)
    そんな感じで、勉強する習慣すらもあまりなかったので、国家試験の勉強を本格的に始めた当初(大学3年生の春休み)は、勉強机に向かうことですら、嫌でした。

    ―――大学3年生の春休みから勉強を始められたのですね。

    誰よりもできないことはわかっていたので、その焦りからか、勉強を習慣にするのは早かったです。
    しかし、中々、模試などでも点数が取れず、管理栄養士の国家試験の合格ラインって200点中120点何ですが、大学4年生の2月まで1度も合格ラインを超えることはなかったです(笑)
    なんなら100点超えるのが精一杯だったのが事実です。

    ―――それでも合格されたのはすごいことです!
    渡辺様が思う、合格に必要な一番の秘訣は何ですか?

    できると自分を信じて、最後まで諦めないこと。
    諦めずに取り組んだからこそ今があると思っています。

    新卒での就職活動

    ―――渡辺様は大学を卒業後に総合病院に就職されるのですが、
    最初から病院志望で就職活動をされたのですか?

    病院は狭き門とは言われていたので、難しいとは思っていました。
    ですが、管理栄養士を目指した原点が病院だったこと、学生時代に体験した小児糖尿病サマーキャンプでのボランティアで、他職種のスタッフと連携する管理栄養士を間近で見て、
    「カッコイイ。私もこんな風になりたい、糖尿病療養指導士の資格をとってもっと専門的な知識でサポートしたい」
    と思ったことがきっかけだったので、はじめから病院と決めていました。

    ―――はじめから病院と決めて就職活動をされたのですね。

    そうなのですが、病院だけでは少し心配だったので、面接練習を兼ねて給食会社も数社受けていました

    ―――なるほどです。面接に慣れることは大事ですよね。

    糖尿病療養指導士について

    ―――ところで、先ほどのお話で糖尿病療養指導士という資格を取りたいとおっしゃていましたが、糖尿病療養指導士という資格はどんなものなのでしょうか?

    糖尿病療養指導士は、糖尿病治療に最も大切な自己管理(療養)を患者に指導する医療スタッフです。高度であることだけでなく、幅広い専門知識を持ち、患者さまの糖尿病セルフケアの支援を行います。