インタビュー
New

現役栄養士インタビュー(4) 商品開発のお仕事と一日のスケジュール

    2019.10.15
    現役栄養士インタビュー(4) 商品開発のお仕事と一日のスケジュール

    現役栄養士インタビュー

    A様インタビュー第四回:商品開発のお仕事と一日のスケジュール

    第4回の記事では、A様が現在勤務されている食品メーカーでの
    商品開発のお仕事内容と一日の大まかなスケジュールについて伺いました。

    ―――現在は商品開発をされていますが、どのような事をされていますか?

    主な仕事は開発に向けた試作業務です。
    例えば、量販店などからPB商品(量販店などが開発する自社製品)の依頼を受けて作ることがあります。
    納得のいく味付けや食感を得るまで何度も試作を重ねます。

    もちろん、すぐに味付けの配合が決定し、商品化に向けて工場での本生産へと決まることもありますが、試作は長いと半年ほどかかることもあります
    このような業務を何件か並行して進めていきます。
    試作をする上で大事なのがmg単位での調味料を使用することもあるので、正確に計らないと工場生産の時に大きくぶれてしまうことあるので、計量は丁寧に行う必要があります。
    また調理の技術に加えて、食品添加物や化学反応の知識がないと冷凍品や惣菜が作れないので、定期的に勉強会に参加します
    そして、いよいよ試作品にオッケーがでると次は工場で本生産となります。
    国内工場もあればアジアを中心とした工場へ行くこともあります。
    そして発売に至るのですが、自分が携わった商品がコンビニの店頭などに並ぶと思わず買いに行ってしまいます。
    社内でも「〜発売されたねー」などと声をかけてもらったり、身内にはつい自慢もしてしまったり、開発エピソードを話すこともあります。
    決して華やかな仕事ではなく地道な業務が多いのですが、店頭に並んだ時の達成感はなんともいえません。

    時間 スケジュール
    8:50

    出社、事務処理
    9:00 打ち合わせ
    9:30 商品開発にまつわる試作
    12:00 お昼休み
    13:00 お客様との試食会
    15:45 業務報告
    16:00 退勤

    ―――職場の環境や人間関係などはどうなのでしょうか?

    社内には何百人といますが、商品開発部には10名程度所属しており、女性の方が多い部署になっています。
    時にはライバルであり、時には助け合い、人間関係には恵まれていると思います。
    残業は仕事内容によって時期や個人差もありますか、予定のある時などは調整がしやすいです。
    年に一度、部内レクリエーションがあり、テーマパークや泊りがけで温泉旅行へ行ったりして交流を深めています。

    ―――とても働きやすい職場ということですね。わかりました。

    あと、今は外食や中食(総菜やコンビニ弁当などの調理済み食品を自宅で食べること)が増えており、種類が豊富で、食感や栄養素を損なわない冷凍食品や、働き手の人材不足にむけたオペレーションの簡単な商品、共働き世帯が増えてきているので、カット野菜やカット済みキット商品など、食品メーカーに求められる役割もますます増えてくることと思います。

    育児と仕事の両立は、思いつめる前に、手を抜けるところは手を抜くことで心に余裕が生まれたりします。

    ―――仕事と育児の両立はどのようにされてますか?

    子供が小学生になるまでは時短勤務が利用できるので、今は9時〜16時までの時短勤務をしています。
    私は朝型なので朝は5時に起きて、朝ごはんを作りながらたまったドラマの録画などを見て過ごしています。
    1人になれる貴重な時間で、気分転換にもなります。
    このように過ごしていると、子供や夫の起きる時間になります。
    夫に子供の食事や身支度を任せ、その間に私は自分の身支度を済ませてしまいます。
    そして、7時30分には家を出て保育園へ連れて行きます。

    仕事が終わると迎えに行きます。17時30分頃に家に着くので、子供はテレビを見ている間にご飯の支度をします。
    子供が小さいうちは帰ってくるなり、お腹空いた〜と言うのでとにかく時短料理に限ります。
    そのために朝のうちに下準備をしておくことで、20分程度で作ることができます。
    ご飯を作り終わっても、今度は好き嫌いがあったり、食事の補助をしたり、なかなか自分がくつろぐ暇はなく、食べこぼしを拭き回ったりしています。

    そして洗濯の取り込みやお風呂に入り、子供と遊んだらあっという間に9時になり、寝る時間になります。
    平日はこのような繰り返しで、なかなかゆっくりできませんが、土日は主人が休みなので4人で公園に行ったり買い物に行ったり、時には子供を預けて友人とランチに行ったりすることでリフレッシュをしています。
    まだまだ子供は小さいので急な発熱や呼び出しもきます。主人と交代でしのいでいますが、有給は計画的に使わないとすぐになくなってしまいます
    また、インフルエンザなどの感染症になると一週間は登園出来なくなるので、近くに祖父母がいればいいのですが、いない場合はあらかじめ病後児保育に登録しておくと預かってくれる場合があります。
    私の場合、日中は子供と離れていることで、一緒に過ごす時間は大切にしようと思えたり、自分の仕事に打ち込むことで社会とのつながりを持てるのでうまくバランスがとれています。
    育児と仕事の両立に+家事が加わるので、時にはスーパーのお惣菜の日もありますし、洗濯が山積みの時もありますが、思いつめる前に、手を抜けるところは手を抜くことで心に余裕が生まれたりします
    そして、予定通りにいかないことばかりなので、時間や日程には余裕を持つようにしています。

    第5回働きながら栄養士の資格を取得
    これからの栄養士に求められること