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現役栄養士インタビュー(2) 一日の業務の流れについて

    2020.01.07
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    現役栄養士インタビュー

    大阪栄養士ナビのインタビュー第8弾をお届けします。

    坂口様インタビュー第二回:一日の業務の流れについて

    第2回の記事では、坂口様が普段施設でどのようなお仕事をされているのか
    出勤から退勤までの一日の流れを語っていただきました。

    ―――就職活動はどのようにしましたか?

    私は、就活と大学に編入するための試験対策を同時に行っていました。短期大学で栄養に関することを学ぶうちにもっと専門的なことを学び管理栄養士になりたいと思っていたからです。ですが、編入学は定員も少なく狭き門なので、うまくいかなかった時のために就活も進めていました。。

    編入学はダメでしたが、栄養士でも実務経験を3年以上積むと管理栄養士国家試験の受験できるので勉強しながら管理栄養士の資格を取りたいと考えています。
    就職活動はリクナビやマイナビなどを使って自分で情報を集めたり、進路希望先をゼミの先生に相談したりしていました。
    履歴書の書き方から、面接練習などわからないことばかりだったので、学校で開かれている就活の対策講座に参加していました。

    ―――なるほどです。就職活動を行う際に役立ったり、参考にした情報はありますか?

    様々な企業の説明会に参加することで、自分が本当に働きたいと思える企業を見つけることが出来ました。
    ホームページや求人票だけでなく「実際に」見てみることが就活において大切だと感じました。
    私が通っていた短期大学は卒業された先輩方が就職活動を行うのにどのような対策を行ってきたか企業ごとに報告書があるのでそれを参考にしました。

    通勤中は切り方や調理法のメモ帳を見返して復習しています。

    ―――一日の業務の流れを教えてください。

    具体的に説明していくと朝は10:30に厨房に入れるように割烹着に着替え身支度を整えてから、手洗いを二回してから現場に入ります。
    昼食の主菜・副菜の嚥下・咀嚼用を作り、温冷配膳車に入れていきます。
    ちなみに温冷配膳車とは温かいものは温かく、冷たいものは冷たく、作り立てのおいしさを保ったまま配膳できるワゴンです。
    11:00になったら汁物を作り始めます。最初に嚥下用のとろみを作ります。
    汁用に使っているとろみ調整剤は75度以上にならないと固まらないため、沸騰させてから器に先に盛っておきます。
    次に汁の具なしの分を盛ります。
    最後に具ありの分を盛り配ります。
    昼食の提供時間が11:30と12:00と二回に分かれているので、それぞれの提供時間に間に合うように取り組むことが重要です。
    昼食はデイサービスを利用される方が毎日20~30名ほどいらっしゃいます。
    デイサービスの方の食事には利用者さんと同じ献立+一品おかずが加わります。
    デイサービスの利用者の方の提供時間は12:00なので、11:30から一品用のお皿を準備したり、施設の社員さんのご飯の準備をしながら12:00に間に合うように温冷配膳車に人数分の汁物をセットしていきます。
    12:00の提供が終わると昼食で使った調理器具の片付けを行います。
    12:30から夕食の調理を開始するので、それまで業者から納品されたものをチェックし食材を冷蔵庫に補充していきます。
    この時次の日の献立を見て冷凍庫から解凍するものも一緒に出しておきます。
    この作業が終わったら夕食の調理に取りかかります。
    例えばこの日の夕食の献立が「ご飯、カレイのつけ焼き、ブロッコリーとハムの和え物、漬物、味噌汁」だとします。
    職員さんはこの献立に+一品おかずが付き自分で合うものを考えて作ります。まず副菜のブロッコリーをスチコン(スチームコンベクションオーブン)で蒸してから冷まします。
    スチコンとはスチームとホットエアーのコンビネーションで焼く・煮る・蒸す・炒めるなどのあらゆる加熱調理に対応している多機能な加熱機器です。
    次にハムを切って熱湯で茹でます。
    熱がとれたら冷蔵庫に入れておきます。
    この作業と同時進行で主菜の付け合わせのチンゲン菜も茹でていきます。
    13:00になるとこの時間に食べる職員さんのご飯の準備をします。
    その合間に漬物を器に盛っていきます。
    13:30頃からカレイを解凍します。
    その間に夕食のご飯を準備していきます。
    お粥・軟飯・普通食のご飯・職員さん用のご飯と4種類あるのでそれぞれセットしていきます。
    次にお茶ゼリーを作ります。
    お茶ゼリーは嚥下が困難な方にゼラチンなどのゲル化剤を用いてゼリー状にすることで、固形物として水分を摂取するようにしたものです。
    14:00に主菜を漬けるタレを作っていきます。作り終わったら、副菜のブロッコリーとハムをドレッシングで和えていきます。
    14:30頃からカレイを先ほど作ったタレにつけ始めます。付け合わせのチンゲン菜を味付けし、咀嚼用は刻んで準備しておきます。
    15:00までにここまで終わらしておくのが理想です。
    それから一時間休憩をはさみます。
    16:00になったらお粥と普通食用の炊飯器のスイッチをオンにします。
    次に先ほど漬けておいたカレイを鉄板に並べ、スチコンで焼いていきます。
    その間に付け合わせのチンゲン菜をお皿に盛っていきます。
    また味噌汁のキャベツを茹でていきます。
    16:30になったら軟飯用のスイッチをオンにします。
    カレイが焼けたら、咀嚼用と咀嚼用の分を取りミキサーで細かくしとろみをつけていきます。
    盛り付けは遅番を一緒に担当している相方がしてくれるのでそのまま置いておきます。
    残った魚を一口サイズに切っていきます。
    普通食の方は切らなくても食べられるのでそのまま盛り付けます。
    17:00になったら味噌汁を作り始めます。
    昼食と同じように嚥下食から作っていきます。
    夕食も提供時間が17:30と18:00と二回あります。
    17:30の提供が終わったら職員さん用の+一品のおかずを作っていきます。
    この日はメインが魚だったのでお肉を使った料理にしようと思い豚肉の生姜焼きにしました。
    時間を見ながら18:00の提供に間に合うように味噌汁を盛り、配膳します。
    すべての提供が終わると、使った調理器具の片付けをします。
    18:40ぐらいから先輩と二人で食器を洗浄していきます。
    大体19:30までに洗浄が終わりそれから調味料の補充や次の日のセッティングをしていきます。
    ここまでを20:00までに終わらせるのが理想です。
    いつもだいたい20:00~20:30の間に退社します。

    時刻 業務内容
    11:00 昼食の準備・盛り付け、配膳
    12:00 食器の片付け
    12:30 夕食の調理開始
    13:00 職員さんのお昼ご飯を準備
    15:00 休憩
    16:00 夕食の調理・盛り付け
    18:00 食事の提供
    18:30 食器の片付け
    19:00 翌日の調理の準備
    20:00 退社

    ―――通勤時間はどれくらいですか?

    私の家から職場まではドアツードアで1時間半くらいかかります。
    職場までの距離でみるとそこまで離れてないんですが、電車からバスへの乗り換えがあるためどうしても時間がかかってしまいます。
    通勤中は普段教えてもらった切り方や調理法をまとめて書いているメモ帳があるのでそれを見返して復習しています。

    第3回職場の雰囲気について
    栄養士としての成長を実感したこと