現役栄養士インタビュー(3) 「フリーランスの栄養士という働き方」

現役栄養士インタビュー(3) 「フリーランスの栄養士という働き方」

現役栄養士インタビュー

前回の記事に引き続きフリーランスの管理栄養士、渡辺愛理様にお話を伺いました。

今回は渡辺様がフリーランスの栄養士という働き方と出会ったきっかけ
フリーランスの働き方を選んだ理由について本音で語っていただきました。

渡辺様インタビュー第三回:フリーランスの栄養士という働き方

―――現在、フリーランス管理栄養士として働いているとのことですが、この働き方って、もともと知っていましたか?

私が、フリーランス管理栄養士としての働き方を知ったのは、ちょうど3年ほど前です。
病院からの転職を考えていた際に、フリーランスの管理栄養士さんが主催されていたディナー会に参加したことがきっかけです。
この食事会は、管理栄養士・栄養士が集まる会だったのですが、何となくSNSを見ていたら、この会を発見して!これもう引き寄せてますよね(笑)

―――SNSがきっかけだったのですね!

ちょうど、ほかの管理栄養士さんがどんな仕事をしているのかが聞いて見たかったので参加したんです。
こう行った場に参加するの、実はこの時が初めてでした。

で、その時に、主催されていた方がフリーで働いているって聞いて、仰天!
「えっ、管理栄養士にもフリーっていう働き方あるんだ!できるんだ」って衝撃を受けたのを今でも覚えています。

病気になる前の健康な方のサポートをしたいという思い

―――だんだん増えつつある「フリーランス」という働き方だと思うのですが、なぜフリーランスになろうと思ったのですか?

実は私、全然フリーランスになるなんてこれっぽっちも思っていなかったです。
でも、先ほどの質問のように出会いがあり、少しずつたくさんの方と出会わせていただく機会が増えて。
そのようなところに来る人って、みなさん生き生きとしていて輝いて見えたんです。
で、一度は、病院から老健に転職をしたのですが、働いて行く中で、わかってはいたことだけど、やっぱり現実が受け止められなくて・・・。

―――現実とは?

目の前で亡くなる方へ栄養士としてできることが限りなく少ないということです。
月に10人近くの利用者様を看取った時に、病気になる前の健康な方のサポートをする仕事をしていきたいと強く思うようになりました。

―――お仕事とはいえ、胸が痛い出来事ですよね。

そこから、フリーランスという働き方を目指すようになり、実際にフリーランスとして働かれている先輩方に直接お話を伺ったり、本やインターネットで調べたりしたのですが、やっぱりはじめは不安でした。
でも、その不安を押し上げるような思いで、生涯をかけてでもやって行きたいと思った自分にしかできない事業構想が膨れ上がって抑えきれなくなり、ついには、もっとこっちのことに費やす時間が欲しいと思うようになってしまって、フリーランスに転身する決意をしました。

フリーランスの管理栄養士のお仕事内容

―――今現在の主なお仕事内容を教えてください。

現在は、特定保健指導を主軸に、企業様主催の料理教室講師、コラム執筆、レシピ開発などをしています。また、自分の想いを形にした事業で、料理教室やカウンセリング、イベント主催などを行っており、多方面で活躍させていただいています。

特定保健指導は、企業や個人のお宅に訪問して、検診結果でメタボと診断された方に対する食事習慣だったり、生活習慣改善のお手伝いのアドバイスをする機会を面談でも受ける時間となっています。
支援内容としては、面談であったり、電話やメール、お手紙などで所定の期間支援をしていく形になります。
登録している会社の方針により異なりますが、私は初回面談のみ担当しています。
(*初回面談とは、特定保健指導を受けるにあたり、支援内容の一部で、実際になぜ今回保健指導に引っかかったのか?どういったことをして減量や検査データの改善して行くかを普段の生活状況をお伺いしながらお話をさせていただく場です。)

継続支援などは、電話や手紙、メールなどで行うため、在宅でのお仕事が可能な場合もあります。
また、近年、自宅にいながらでも受けられるWeb面談も増えてきており、今後在宅でのお仕事需要も増えていくのではないかと思っています。

―――特定保健指導は、管理栄養士ならではの重要なお仕事ですね。他にはどのようなお仕事をされていますか?

料理教室講師は、テーマが企業様より与えられて、それに関する講義内容や実習内容を考えて行きます。レシピ作成からもちろんスタートです。
そして、当日の準備・運営・片付けまでを行います。

主催は企業様のため、集客に関しては、私たちですることはありませんが、自身で開催する料理教室となると、上記の作業にプラス、食材の買い出しや、お問い合わせ対応、集客、募集、会場確保などなどすることも増えます。

コラム執筆に関しては、私のはじめのスタートは、クラウドソーシングサービスを使ったものでした。
そこから、現在では、単発の依頼案件であったり、お互いに条件など合意の上で、定期的に継続案件を受けていることもあります。
在宅にいながら、文章を書くだけなので誰にでもできる仕事でオススメです。

レシピ開発に関しては、適宜依頼いただいた内容をテーマにし、試作を重ね、最終的に原稿(写真付きで)納品します。
スタジオ撮影を指定されることもあれば、自身で撮影まで行うことなど、依頼時に概要をお伝えいただくのでそれに沿った形で行います。
また、写真だけでなく、最近は料理動画などの需要もあるため、写真だけでなく動画撮影を依頼いただくこともあります。

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