現役栄養士インタビュー(4) 「フリーランスのやりがいと厳しさ」

現役栄養士インタビュー

前回の記事に引き続きフリーランスの管理栄養士、渡辺愛理様にお話を伺いました。

今回は、フリーランスの管理栄養士として働くやりがいと、
フリーランスならではの辛いことについて本音で語っていただきました。

渡辺様インタビュー第四回：フリーランスのやりがいと厳しさ

―――フリーランス管理栄養士としてのやりがいはどんなことですか？

いい意味で、会社員の時には経験できないような経験ができることだと思っています。
管理栄養士の仕事ってなかなか直接、お客様や患者様などから声をいただける機会が少ないのかな？と今まで働いてきて思ったのですが、フリーランスとして働き始めてもうすぐ１年になりますが、こんなにもたくさんの「ありがとう」をいただける仕事だったのかと改めて実感しています。
また、その他大勢の管理栄養士の中の一人という位置つけではなく、「個」として求められているようなそんな気づきもあります。

実際に、カウンセリングに来てくださった方からは「カウンセリングや料理教室をしている方って他にもたくさんいるけど、私が悩んでいることベースに検索していたらたどり着いて、愛理さんから受けたいって思いました」とか、「アドバイスをしていただいたことを実践したら、どんなに頑張っても落ちなかった体重が、食事をしながらでも２ヶ月で３キロ落ちました！」と喜びを報告してくださったりとか。そんな言葉をかけていただくたびに泣いて喜んでいますし、フリーランスになってよかったって思っています。

―――直接「ありがとう」を言われるのはやっぱり嬉しいですよね。

また、組織にとらわれることがなく活動ができるので、やりたいけど会社の規則があるし・・・なんて方にはおすすめな働き方かもしれません。

―――やりたいことがはっきりとしている人に向いているのですね。

あとは、いい意味で、会社員のお給料制とは異なるので、「お役立ち料」としての報酬という形で、お金が入って来ます。
企業様とのお仕事の際は、ある一定の金額報酬として受け取ることがほとんどではありますが、逆に見積もりとして、これだけの仕事をするので報酬料金としてこれだけいただけませんか？と交渉することが可能です。
また、自分の事業としてサービスを提供する場合は、自分で好きな価格を決めることができるので、言ってしまえば、どれだけでも稼ぐことができてしまうということになります。

自分の仕事には全て責任を持たなくてはいけない覚悟

―――では逆に、フリーランスになってちょっと厳しいなと思う点はありますか？

会社員と違い、何か問題が起こってしまった時、守ってくれる人はいないため、全て自己責任を負わなくてはなりません。
また、報酬も一定額毎月もらえるというわけではないので、会社員より不安定になります。

―――収入が安定しないのは不安に思われる方も多いでしょうね。

少し厳しいことをいうようですが、それを覚悟の上で、それでもフリーになりたいという方が仕事をするのに向いていると思います。
あとは、現実問題、保険の半額負担とかがなくなり、自己負担で全て払っていかなくてはならないので、そのあたりは結構シビアな世界かなという印象です。

仕事もプライベートも「楽しい」を優先すると、無駄な時間が無くなりました

―――管理栄養士の仕事は時間管理がとても大切ですが、プライベートと仕事の両立はできていますか？

会社員時代は、仕事で疲れ果てて、帰宅したらご飯を食べて寝る、次の日また仕事に行く。
休日は体力温存のためにどこにも出かけないという生活をしていたのですが、フリーランスという働き方になり、少し時間管理方法が変わりました。

―――どのように変わったのでしょうか？

それは、無駄な時間をなくすということです。なんとなくスマホでSNSを見る時間って勿体無いなって思うようになってしまって。
私の場合、今の仕事が全て楽しいので、お金もらえなくてもやりたい！そんな感じで仕事をしているので、仕事もプライベートも同じような感じで（笑）
でも、この働き方ができるからこそ、積極的に自分の時間を優先するようにしています。

―――具体的には？

例えば、１ヶ月の予定やスケジュールを組む時に、はじめにプライベートの予定を入れています。
この日は、旅行に行く、この日はご飯に行くなどなど。
そこから、仕事の予定を入れてするべきことなどをタスクにし、スケジューリングとして落とし込むところまでします。
仕事をする上で一番大事にしていること、それはいかに自分が心地よくできるかということです。
予定もあまり詰め詰めに入れすぎず、休息する日もちゃんと作る、そんな風に予定を立てています。