妊娠した際の仕事内容の変更や切迫早産になった際の実体験について
はじめに
私が勤務していた保育園では平日、0歳児から5歳児まで10クラス、職員と合わせて280食の給食とおやつの提供を管理栄養士1人、調理師5人でしていました。
土曜保育もあり、園児と職員合わせておよそ60食を管理栄養士か調理師の1人勤務で調理提供します。
保育園は法人施設内にあり、法人には児童施設が11施設、高齢者施設が9施設あり、それぞれ栄養士か管理栄養士が勤務しています。
この中で私、管理栄養士が妊娠し、その後の仕事内容や切迫早産になった際の実体験について綴ります。
妊娠発覚後から妊娠6ヶ月の仕事内容について
妊娠が発覚したのが2013年8月頃。出産予定日は2014年4月中旬。
勤務先での育児休暇は1歳迄の規定で、実際保育園で園児の食事に携わる仕事をしていると、2歳までは自分の手で育てたいと妊娠前から考えていました。
施設長に妊娠したことと、3月初旬からの出産休暇をとり3月末日での退職希望ということを伝えました。
その後、施設長と調理師主任と私の今後の仕事内容について話し合いをしました。内容は、どこまで大量調理に携われるかどうかについてです。
施設長から言われたのは「妊娠は病気ではないから、神経質になりすぎてはいけないと思う」とのことでした。
調理師主任は大量調理でお腹に力の入りそうな作業は周囲の調理師に頼るように、助け合おうという話でまとまりました。
また、某保育雑誌の執筆の依頼もあり、妊娠前は編集会議が月に一度参加していました。
通常勤務終了後、夜の開催の為、身体への負担を考慮してもらい、妊娠発覚後の編集会議は欠席し、メールを通して記事を提出する形を取りました。
私は幸いつわりはなく、調理作業の補助、調理師が欠勤の際の調理のポジションでも難なくこなしていました。
ただ、給食室内では長靴で足元がとても冷え、立ち仕事になります。
通勤に電車とバスを乗り継ぎ片道1時間弱かかることも加わり、帰宅後はどっと疲れが出て、一旦横にならなければ家事も何もできませんでした。
妊娠発覚から初期までは、お腹がすぐ出る訳でもありませんので、変わっていない様に感じますが、いままで以上の疲れを感じることが多かったです。
中期になると、どんどんお腹が出てきて足も浮腫みやすく、腰痛が酷くなりました。
平日の勤務で調理作業に入る際は、油の一斗缶や大量の食器の入ったかごを運ぶ等、お腹に力を入れそうな作業は他の調理師にタイミングを見てお願いする形を取りました。
月に1、2回の土曜保育の出勤の際は一人出勤ですので、調理は自力でしなければなりません。
メニューもラーメンやうどんなど、回転釜を使います。
給食を運ぶことや重いゴミ出し等は保育士にお願いしていました。
しかし、それ以外、重い食器類を乾燥機に入れ替えたり、回転釜を洗うのにかがんだりと、お腹に負担がかかる作業はたくさんありました。
内心、これで大丈夫だろうかと恐る恐る作業をしていました。
これはできないと大きく声を挙げた方が良かったかもしれません。
妊娠6ヶ月にて切迫早産からの安静指示
お腹はだいぶ出てきて、骨盤ベルトをしておかないと、腰に負担がかかり、長時間立ち仕事をするのも辛い状況でした。
お餅つき、誕生会、クリスマス会と行事が何かと続く慌ただしい師走の12月。
給食室内は慌ただしく、猫の手も借りたい状況で、調理の補助に入ることも多々ありました。
12月下旬に勤務後、出血があり、産婦人科に受診し、切迫早産と診断され、自宅安静にて仕事は休む様になりました。少しお腹が張り気味で、無理しすぎたのかもしれません。
突然の安静指示で、翌月の献立表もまだ出来上がっていない、発注やアレルギー代替食の指示書などは、先1、2日分しかできていない状況。
調理師達はパニック状態で、私でなければ分からない仕事内容を施設長から調理師に前の資料を見ながら事務作業もしてもらう形を取ってもらいました。
最初はパソコンを自宅に持ってきてもらい、発注作業等していましたが法人の方から、それでは十分安静できないだろうとの事で法人内の保育園の栄養士に託すことになりました。
安静指示解除後の職場復帰から退職
3週間、安静生活を送り、1月中旬に復帰。こんな状況でまた出血があったらどうしよう。
お腹に爆弾でも抱えているかのような不安な心境でした。
安静状態であまり動かないようにしていたため、足腰も弱ってしまい、通勤するだけでも一苦労でした。
給食室内の調理はせず、3月末までの発注や献立作成、事務作業と保育室へ食育指導、翌年度から勤める栄養士への引継作業、監査書類の整理をしました。
無事、3月初旬の産休に入るまでトラブルなく勤務し、3月末にて退職しました。
実体験から保育園栄養士の妊娠時の理想の働き方
妊娠が発覚して大量調理が一切できないわけではありません。
私はつわりがありませんでしたが、つわりのある方でしたら、通勤もできない、給食室に入ることもできない等、長期休む事もあり得ます。
切迫早産など、仕事を長期休まなければならない事を想定して、妊娠が分かった段階で、十分話し合って下さい。
法人内など栄養士の横の繫がりがあれば、法人内の栄養士に相談してみるのも良いでしょう。
私も妊娠した際、施設長、調理師主任と話し合いの機会を持ちましたが、最悪の状況まで考えられなかったことが失敗でした。
妊娠中は何が起こるかわかりませんので、仕事を長期休む可能性があることを頭の隅に入れておいてください。
法人内の保育園の先輩栄養士に仕事量を増やし負担をかけている事について謝ると、「お腹の赤ちゃんを守れるのはママのあなただけだから。赤ちゃんがママ、ゆっくり休んで!のサインだよ。」と言われ、ハッとしました。私がしっかりおなかの赤ちゃんを守らなければならないのだと。
妊娠中期、後期を迎える頃は腰痛が酷いなどマイナートラブルが少しでもあれば、極力、事務作業に徹する方が良いかと思います。
きっと栄養士で働かれる方は責任感がある方が多いと思います。
あなたが倒れてしまったら、お腹の赤ちゃんにも影響がおよびますので、発注や書類整理など事務作業を中心にできるように声を挙げる勇気を持って下さいね。