・子供の嗜好に驚いた経験について
・おやつを美味しく食べてもらうための工夫
みなさんはおやつが好きですか?
おやつは、一度にたくさん食べることができない子供たちにとって貴重な栄養源です。
保育園で働いていた私が一番苦労したのがおやつです。
好きなおやつが出てくればご機嫌で食べてくれます。
それが嫌いな物なら泣きじゃくるばかりで口にさえ入れてくれません。
日によっても好みが変わることもしばしば。
悪戦苦闘して大変だった日々ですが、『おいしい』と無邪気な笑顔で言ってくれる子供たちにはいつも癒されますね。
今回は、好き嫌いの多い子供たちに上手に食べさせるために私が工夫したことと子供の嗜好に驚いた経験をご紹介します。
私が経験した子供たちのおやつに対する考え方
“おやつ”って聞いたらウキウキしませんか?
おそらく“おやつ”を嫌いな人はいないでしょう。
私たち大人は、“おやつ”をご褒美や休憩、リフレッシュによく使います。
では、子供たちにとって“おやつ”とはどんな存在なのでしょうか。
“おやつの時間”になると子供たちはみんな喜びます。
先生に配られるまで待ち切れずに椅子でバタバタと待ちきれない気持ちを出しているところを見るとおいしいおやつを出さなきゃという気持ちになります。
しかし、私たち栄養士にとって子供たちの“おやつ”はご褒美や娯楽だけではありません。
子供たちにとって“おやつ”とは、1日に必要なエネルギーを補充する重要な食事なのです。
バランスを考えればこそ出す“おやつ”が『今日のおやつは甘くなかった』、『ご飯じゃなくてドーナツが良かった』など子供たちの期待に応えることができない時もあります。
子供たちにとって“おやつ”とは、甘くておいしいものということを再認識することができますね。
みんな大好き!鉄板のおやつとは
共働きが多くなっている昨今、“家でのおやつ“は市販されているものを与えることが多くなってきました。
ここで1つ忠告しておきたいことがあります。
それは、“市販されているおやつ“が悪者ではないということです。
言い換えれば、“手作りのおやつ“が必ずいいわけではありません。大切なのはそのバランスです
子供たちは、プリン、ケーキ、ドーナツ、チョコレートなど『甘いおやつ』が大好きです。
“甘いおやつ“は糖質や脂質が多く含まれているものが多く、食事を補うという“おやつ“の本質的な部分を満たすことがとても難しくなっています。
また、“甘いおやつ“に含まれる糖分は、満腹中枢を刺激してお腹をいっぱいにしてしまいます。
“おやつ“を食べた結果、ご飯を食べることが出来なくなってしまっては本末転倒です。
“甘いおやつ“を与えていけないわけではありません。
“甘いおやつ“を与えるときは『少量』にとどめるということを意識しましょう。
これが嫌いなの?意外な子供の嗜好
私の勤めている保育園では、“おやつ“は基本的に量の少ないご飯またはおかずです。
あくまでも一日の食事を補うものという姿勢は崩しません。
焼きそばやパスタ、おにぎりなど主食や副食になりそうなものの量を減らすことでおやつとしています。
なぜだかはいまだにわかりませんが、焼きそば、お好み焼きなど粉ものと呼ばれるものやソースを使っているものが苦手な子が多いように思います。
なぜかを聞くと辛い、ピリピリするなど刺激に関する意見が多く挙がります。
子供は味覚が敏感なため仕方がないのでしょうか。
嫌いなおやつではありませんが、小さい頃は食物アレルギーに注意しなければなりません。
体が小さく、生まれてからアレルゲンに触れた経験の無いところに食事やおやつからアレルギー物質を与えてしまうと命にかかわるようなアレルギー症状(アナフィラキシーショック)を誘発する可能性があります。
保護者からアレルギー食品の情報を聞くだけでなく、ご家庭の食事でアレルギー物質として疑われている食品をどれくらい摂取しているかを聞くことも重要なポイントです。
子供の好き嫌いに対して私が試したこと
子供たちみんなが好きなおやつを提供することが一番理想です。
しかし、日によって好みが変わってしまったり、アレルギーのため、みんなと同じおやつを食べることが出来なかったりとみんなが好きなメニューを提供することはとても大変です。
手間がかかってしまっても子供たちが笑顔でおいしく食べることが出来るメニューを作ることが私のやりがいです。
完成ではありませんが、試行錯誤しながらたどり着いた私の工夫を紹介します。
メニューの工夫
私が意識したことは一度ダメだったメニューや食材に見切りをつけないことです。
野菜スティックがだめならマヨネーズでなくクリームチーズやドレッシングなどほかの味を楽しめるよう工夫してみると意外と食べてくれます。
あと、あまり考えずに日を改めて出してみるとすんなり食べることがあります。
食べず嫌いで一定期間食べることが無くなってしまうと自分の知らないものと認識してしまいます。
あれがダメだったこれもダメだったと選択肢を狭めてしまうことで偏食を助長することに繋がりかねません。
大人だって気まぐれなんです。
子供が気まぐれでないわけがありません。
1つの手間と折れないことろで豊富なメニューを持ちましょう。
調理の工夫
味がいくらおいしくても見た目がいまいちでは食欲がわくはずもありません。
言い換えれば、見た目が良ければ食べる気になります。
野菜をごろっとゆでるだけでなく、かぼちゃをペースト状にしてクッキーとして出してみると『おいしい』、『おかわり』と元気な声を聞くことが出来ます。
かぼちゃが入っているんだよと教えてあげると大きな声で『えぇ~嘘だぁ』と一言。
この声を聞くことが出来れば私の勝ちです。
見た目に騙されず調理方法にひと手間加えるだけで子供も意欲を掻き立てることが出来ます。
また、子供たちはとても敏感な触覚を持っています。
そのため、これまでに食べたことないような違和感を感じる歯触りがとても苦手です。
細かく刻むだけでなく、思い切ってミキサーにかけたりペースト状にしてみましょう。
子供達には食べることが出来たという経験がとても不足しています。
食べることが出来るという経験を積めば次からそのままでも食べることが出来ます。
いきなりが無理なら少しずつ形態を上げていきましょう。
まとめ
“おやつ”は甘くておいしいものだけではありません。
小さくて一生懸命成長している子供たちにとってバランスよく栄養を供給するための必須アイテムです。
お腹がすいた、あれがほしいこれがほしいなどの訴えに負けず、3食の食事とのバランスを意識しましょう。