【栄養豆知識】大量調理ならではの事故と防ぎ方

【栄養豆知識】大量調理ならではの事故と防ぎ方
・大量調理と栄養士の役割について
・事故に注意!
・大量調理に必要な「7S」について

栄養士の仕事のほとんどは大量調理のお仕事です。
大量調理のお仕事は、体力勝負と言ってもいいでしょう。

それだけに、事故も起こりやすいです。

事故が起こりやすいと聞くと、怖く感じると思いますが、日頃から気を付けることで、事故を防ぐことが出来、快適に仕事をすることが出来ます。

今回は、大量調理ならではの事故についてと、その対処法についてお話します。

大量調理についてと栄養士の役割

病院や施設によって、利用者の数はまちまちですが、少ない所で20人~多くて100人以上の食事を作っています。
何人から大量調理になるのかについての正式な数はありませんが、大体の施設ではこのくらいの人数のところが多いのではないかと思います。
ちなみに、私が現在働いている職場では、50人分を2人で作っています。

栄養士が必要な理由

調理の仕事を行う上で、美味しい料理を提供することを第一前提に、食中毒を起こさないための衛生管理や、患者さんに合った栄養指導など、栄養士、または管理栄養士にしかできない業務があります。

法律でも、大量調理を行う場所では、管理栄養士の設置義務が規定されており、一人は必ずいます。
私が働いている職場にも、管理栄養士の方が一人おり、事務作業と現場作業をしています。

大量調理の仕事ならではの事故と対策について

ここでは、私が実際に体験した事故についてご紹介します。

早番の日は要注意

私が働いている職場では早番と言って早朝5時から勤務する時間帯があります。
一緒に働いている調理師さんの中に、朝が苦手な人がいて、この日もすごく眠たそうに仕事をしていました。
その方はひたすら野菜を切る作業をしていたため、単調な仕事に次第に眠気がさしたようです。
そして、左手人差し指を思い切り切ってしまいました

沢山出てくる血に私もびっくりして、急いで応急処置を取り、整形外科に付き添って、縫ってもらいましたが、朝ご飯を出す時間が少し遅れてしまいました…

その日はたまたま前日に付き合いでお酒を飲む機会があったらしく、飲み過ぎた…とのことでした。

自己管理を徹底することはすごく大事です。
前日はいつもより早く寝るなど、睡眠時間の確保をするなど工夫をするようにしなければいけません。

私も、気をつけようと改めて思いました。

異物混入

大量調理での事故の一つに異物混入がよく言われています。
時々おかずの中に髪の毛が入っているなどのクレームをよく聞きます。

管理栄養士の方が献立を考えているので、手間のかかりすぎない献立にするなど、工夫をすることで、調理業務への疲労度も変わるのではないかと思います。
調理をする人のスキルや作業想定を考慮して献立作成をすることも異物混入を防ぐために重要な事です。

それと共に、調理員も身だしなみに気を付けて、作業を行う前には髪の毛が帽子から出ていないかをチェックし、しっかりと手を洗うなど、衛生面にも徹底することが好ましいです。

大量調理に必要な「7S」とは

大量調理の現場には、現場を衛生的な環境に保つための衛生的の基本として「5S」があります。

「整理」・「整頓」・「清掃」・「清潔」・「躾」という5 つの実施事項のことで、ローマ字にした時(Seiri、Seiton、Seiso、Seiketsu、Sitsuke)となることから、頭文字をとって「5S」と言う呼び方をするようになりました。

しかし、最近では「5S」に付け加えて「殺菌」「消毒」ローマ字にすると2つとも(Sterilization)と言う意味になります。
「5S」では、作業の効率化を中心に考えられていましたが、微生物レベルに対する清潔さが求められるようになってからはこの2つが加わり、今では「7S」が必要とされています。

整理・整頓

【必要なものを明確に】して、それらの【置き場や数量を決める】

清掃

異物混入を防ぐために【清掃ルールを決めて清掃する】

清潔

そして整理・整頓・清掃されている【きれいな状態を維持する】

躾(しつけ)

そのために、的確に【整理・整頓・清掃を実施させる】

洗浄

施設の設備や作業をする環境の有害生物と汚物の【除去をする】

殺菌

有害な微生物類をの【不活性化・除去・増殖の抑制】などを行います。

があります。
仕事をする際には「7S」を意識して行うことが必須とされており、これによって、異物混入を防ぐことにつながります。

まとめ

大量調理の仕事には、大変な事故があります。
しかし、事故があることを知ることで、事故につなげないように対策を取ることが出来ます。

安全に仕事をするためにも、体調管理は万全に、調理員に負担がかかりすぎないような献立を立てる、「7S」を守って清潔にするなどを心がけることで、安全にお仕事をすることにつながるのではないかと思います。

一緒にお仕事をする人との連携を取ることも、事故につながりにくくするためには必要不可欠な事だと思います。

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