履歴書・職務経歴書の書き方

履歴書と職務経歴書の作成のポイント

履歴書と職務経歴書は、あなたの情報を希望の企業に伝える重要な書類です。 特に障害者雇用の場合、企業が「長く活躍できる人材かどうか」「自社でどのように貢献してくれるか」をイメージできる内容に仕上げることが重要です。 スグJOBでは履歴書と職務経歴書のフォーマットと見本を用意していますので、是非活用してください。

  • 応募先企業に合わせた内容で作成

    履歴書の内容は、応募企業ごとにあわせて作成することが理想です。 志望動機は応募企業の理念や事業内容にあわせた内容で、自己PR欄は企業の求める人材像やスキルに関連する情報で記載すると効果的です。

  • 自分の言葉で書く

    最近は生成AIが利用されることもありますが、自分の言葉で書くことが大切です。 もし生成AIを利用する場合でも、自分らしさが伝わるように細部をアレンジしましょう。

  • パソコンでの作成を推奨

    履歴書は、手書き・パソコンでの作成、どちらの方法でも問題ありませんが、以下の理由からパソコンでの作成を推奨します。

    • 読みやすさ: パソコンで作成すると、フォントや配置が整っており、採用担当者が読みやすいです。

    • 修正のしやすさ: パソコンでは誤字脱字をすぐに修正できるため、より正確な履歴書が作成可能です。

    • 身体的な負担の軽減: 障害により手書きが困難な場合、パソコン作成が効率的で適切な選択となります。

    特に、身体障害や視覚障害をお持ちの場合、手書きよりもパソコンを活用した方がストレスなく進められるでしょう。

  • 手書きの場合

    手書き作成の場合には黒ボールペンを使用して書きましょう。 フリクションの消せるボールペンや鉛筆・シャープペンシルなどは書類作成に適していません。 もし間違えてしまった場合には、修正液や修正テープなどは使用せずに一から書き直しましょう。 先に下書きを作っておくと書き間違いを防ぐことができます。 また担当者が読みやすいように、一文字一文字を丁寧に楷書で書きましょう。

履歴書と職務経歴書の違い

  • 履歴書

    氏名・住所・連絡先・学歴・職歴の簡単な一覧・保有資格などの情報を記入し、 応募先企業に基本的なプロフィールを伝えるための書類です。

  • 職務経歴書

    履歴書よりもさらに詳しい、業務内容などを含めた経験職務の詳細・習得したスキルや成果などの情報を具体的にまとめ、あなたが応募先企業でどのように貢献できるかを伝えるための書類です。 特に障害者雇用においては、業務上の配慮事項や障害の特性を適切に伝えることで、企業と互いの理解を深めることができます。

履歴書の書き方について

記載欄に限りのある履歴書はシンプル且つ的確な内容を心がけ、詳細の説明は職務経歴書に記載しましょう。

  • 標準的なフォントの使用

    履歴書作成時には、以下のようなフォントとフォントサイズを使用すると良いでしょう。

    • 推奨フォント: 明朝体、ゴシック体(標準的で読みやすいフォント)

    • フォントサイズ: 氏名や見出し部分は12pt以上、本文部分は10.5pt~11pt

    フォントの選択によって履歴書の印象が大きく変わることがあります。 派手なフォントや特殊文字を避け、落ち着いた雰囲気を意識しましょう。 また、過剰な強調(太字やアンダーラインの多用)は控えめにすることをおすすめします。

  • 英数字

    半角でも全角でも構いませんが、履歴書内でどちらかに統一して記載しましょう。

  • 空欄を避ける

    履歴書は、できる限り空欄を作らないように作成しましょう。 空欄が多いと、「熱意が感じられない」と思われる可能性があります。 ただし、文字を詰めて書きすぎると読みづらくなるため、内容が多くなる場合は職務経歴書に書きましょう。

    空欄を避ける

履歴書の各項目の記載例

  • ①基本情報(日付、名前、住所、電話番号、写真)

    • 日付: 応募書類を提出する日付を記載します。 郵送の場合は投函日、オンラインの場合は送信日を記載しましょう。 年(年号)は履歴書と職務経歴書全体で 西暦または和暦のどちらかで統一して記載しましょう。

    • 氏名: 略字は使わずに、戸籍に登録されている文字(字体)で正確に記入しましょう。  ふりがなの欄については、項目名がひらがなで「ふりがな」とあれば、ひらがなで記載しましょう。  もし項目欄がカタカナで「フリガナ」と表記されているのであれば、カタカナで記載してください。

    • 住所: 都道府県から始めて正確に記載します。 郵便番号を忘れないよう注意しましょう。

    • 電話番号: 最も繋がりやすい電話番号を書くのが基本です。 連絡が付きやすいのであれば携帯番号のみの記載で問題ありません。

    • 写真: 印象が大きく変わらない3ヶ月以内に撮影されたものを利用しましょう。 髪型や体重の増減などで実物との印象に相違があると、違和感・不信感を与えてしまう可能性があります。 証明写真機は気軽に撮影できますが、写真館で撮影したものと比べて暗い仕上がりになることが多いため、 時間に余裕がある場合は、綺麗な仕上がりになる写真館で撮影したものが望ましいです。 服装については、スーツ・ジャケットなど着用し、髪型についても清潔感のある髪型を心がけてください。

  • ②学歴・職歴

    学歴や職歴は時系列順に記載します。 上で用いた日付の年号(西暦なら西暦・和暦なら和暦)で統一して記載します。

    • 学歴: 最初の行の中央に「学歴」と記載しましょう。 基本的には高校入学年月から記入しましょう。 最終学歴が中学校の場合には、中学校の入学と卒業年月を記入しましょう。

    • 職歴: 学歴の後に一行あけて 「職歴」と記入し、次の行からすべての職歴を記入しましょう。 基本的には正社員・契約社員の経歴を働いた順に時系列ですべて書きます。 アルバイト・パートの経歴については、転職活動の合間の繋ぎや短期間のアルバイト経歴は履歴書に書く必要はありません。 但し、社会保険に加入していたもの、長期間勤務していたもの、フルタイムで勤務していたアルバイト・パート経歴は書くようにしましょう。 また、職歴が多く期間などが曖昧な場合には、年金事務所に相談し、社会保険の加入履歴などで確認して整理するとよいでしょう。

    • 学校名、会社名:学校名や企業名は省略せず、正式名称で記載します。 「○○高校」ではなく「✖✖市立○○高等学校 普通科」や「私立○○高等学校 商業科」など、正確に記載します。 株式会社は (株)と略さずに正しい名称で記載し、株式会社が前につく会社と後ろにつく会社、どちらもあるため、間違えないように確認しましょう。 また辞めた会社が退職後に社名変更している場合もあります。 その場合には「△△△株式会社(現・□□株式会社)」のように記載します。

    • ブランク期間の記載は不要: ブランク期間の理由を履歴書に書く必要はありません。 但し、面接の際に採用担当者から確認される場合があります。 自分なりに説明できるよう、整理・準備はしておきましょう。

    • 在職中の場合: 最後の職歴の次の行は「現在に至る」とし、その次の行の右寄せに「以上 」と記載します。 もし行が足りない場合には 、最終行に詰めて書いても構いません。

    • 離職中の場合:  最後の職歴の次の行に、右寄せで「以上 」と記載します。

  • ③免許・資格

    免許・資格の名前も略さずに正式名称で記入しましょう。 またスペースが足らないほど多数の資格を持っている場合には、応募先の職種に関連する資格を優先的に記載します。

    例:
    • 平成22年8月 普通自動車第一種運転免許(AT限定) 取得 
    • 令和2年 7月 日商PC検定3級 合格
    • 令和3年 9月 Word 文書処理技能試験3級 合格

    資格がない場合には、空欄のままではなく「特になし」と記載しましょう。

  • ④志望動機・自己PR

    志望動機と自己PRは、採用担当者が最も注目する部分です。 企業に合わせた内容に調整し、熱意が伝わるように工夫しましょう。

    • 志望動機: 志望動機は履歴書に必ず書きましょう。 「貴社に魅力を感じました」といった抽象的な内容ではなく、 「私は〇〇の経験から、貴社の〇〇に魅力を感じ、自分自身も貢献したいと思い志望しました」などのように、 「自分の体験」「会社に対し、具体的に興味を持っているポイント」を反映させて書く方が、説得力のある内容になります。 また会社、事業の魅力が書きづらければ、なぜその会社で活躍できると思ったかという視点で考えると良いでしょう。

    • 自己PR: 自分の強みや障害に伴う工夫、困難を乗り越えてきた経験から得たスキルなどを記載しましょう。 職務経歴書にも自己PRを記入するため、職務経歴書と同じ内容・ポイントで問題ありません。 但し、履歴書ではスペースが限られるため、ポイントを絞って簡潔に記入して記入し、職務経歴書には履歴書に書ききれなかった内容などを 補足してより詳しく書くことをおすすめします。

  • ⑤障害の等級、状況および通院について

    障害者雇用枠の求人応募の場合、障害の内容や職場での配慮について理解いただくために、以下の情報を具体的に記載します。

    • 障害者手帳取得年月
    • 障害者手帳の種類・等級
    • 障害の内容
    • 現状と詳細 (現在の状態や改善状況など)
    • 通院状況
    • 職場で必要な配慮
    • 障害内容の記載ポイント

      感情的な表現は避け、客観的かつ具体的に記載することを心がけます。 記載に抵抗を感じるかもしれませんが、障害の状況は企業にとって重要な判断材料です。

      • ポジティブな要素を強調:障害の内容や必要な配慮を記載する際には、ポジティブな自己肯定感を反映させることが重要です。 採用担当者は、あなたの障害内容を理解したいだけでなく、それをどのように克服し、業務を遂行する意欲や方法があるかを知りたいと考えています。 例:「身体障害により一部作業が制限されますが、その分、効率化ツールを使い業務を短時間で正確に仕上げる工夫を続けています。」 「障害と向き合いながらも生活がしやすくなった」などの安定した要素を記載することで、採用担当者に安心感を与えられます。

      • マイナス要因の伝え方:障害により苦手なことがある場合は、具体的な配慮を示しながら前向きな説明をします。 例: :「〇〇作業が苦手ですが、△△のような支援や配慮をいただければ効率よく業務を進めることが可能です。」

    • 職場で必要な配慮の記載ポイント

      職場で必要な配慮については、採用担当者がイメージしやすい形で記入しましょう。 特に具体的な内容を簡潔に記載することが重要です。 できないことや苦手な事、希望するサポートについても正直に記載します。

      例文:
      • 「体調が不安定な場合は10分ほどの休憩をいただきたいです。」
      • 「月に1度、通院のため早退する必要がありますが、事前にスケジュールを調整します。」
      • 「重い荷物の運搬が難しいため、軽量な物品を中心に取り扱いたい」など。

職務経歴書の書き方について

職務経歴書の基本的な構成や記載時のポイントについてわかりやすく解説します。

  • 職務経歴書で大切にすべきポイント

    職務経歴書の最大の目的は、「この人に会ってみたい」と応募先企業に思ってもらうことです。 以下のポイントを意識して作成しましょう。

    • 応募求人で活かせる経験やスキルをPRする あなたがどのように貢献できるかを具体的にわかりやすく書きましょう。

    • 障害による制約や必要な配慮を適切に伝える 求人企業の採用担当者が明確なイメージを持てるように伝えましょう。

    • 「伝えるべきこと」を書く 書かないことで後々トラブルにつながる可能性がある内容は必ず記載しましょう。

    • 「伝えなくても良いこと」は省略する 不必要な情報を記載すると、職務経歴書の的確さを欠き、企業側の判断を迷わせる可能性があります。

    職務経歴書で大切にすべきポイント

様式について

  • 職務経歴書には決まった様式がありません

    A4サイズの白無地の用紙に1~2枚程度に横書きで作成することが一般的です。 職務経歴書はパソコンで作成することをおすすめします。 PCの文字の方が文字量が多くても読みやすく、レイアウトも整えやすいですし、一度作成すれば、何枚も印刷できますし、内容の追加も簡単にできます。 また、PC入力が苦手な方やパソコンを持っていない場合など、手書き作成しても問題ありません。 手書き作成の場合には罫線入りの用紙を用いると記載しやすくなります。 また手書き用の罫線入りの職務経歴書用紙も市販されています。 手書きの場合にはボールペンを使用する事が基本です。 フリクションの消せるボールペンや鉛筆・シャープペンシルなどは書類作成に適していません。

基本構成と記載例

  • ①基本情報

    職務経歴書の冒頭には以下の情報を記載します。

    • 日付 提出する日付を作成日として記載します。 ”年”は 西暦または和暦で統一して記載しましょう。 履歴書に記載している”年”とも統一させるようにしましょう。

    • 氏名
  • ②経歴要約

    これまでの職務職歴の中で、応募職種に関連するような内容を中心に3~4行程度にまとめて記載しましょう。 採用担当者が最初に目にする部分なので、特にアピールしたいことを盛り込むと効果的です。

    • 記載例

      〇〇大学卒業後、数社にて事務職に従事。直近〇年間、総務部の事務職に従事。 主に統計資料作成や議事録文書作成・職員の個人情報管理・備品管理・メール対応・電話応対などを担当しました。 社内外の方とのやり取りも経験がありますので、事務職として就業する上での素地は身につけていると自負しております。

  • ③職務経歴

    各勤務先ごとに、以下を具体的に記載します。

    • 勤務先情報 企業名、事業内容、従業員数など。

    • 在籍期間 年月で記載。

    • 所属部署・役職 部署名や役職を明記。

    • 職種 職種名を明記。

    • 担当業務 具体的な仕事内容を明記。 応募職種と関連性の高いものを優先するとよいでしょう。

    • 実績 具体的な数字で示せる業績・成果を記載。 

    • 記載例

      ○○株式会社(2015年4月~2024年12月)
      • 事業内容:○○メーカー
      • 所属部署・役職:営業部・主任
      • 職種:営業
      • 担当業務:
        • 新規顧客開拓および既存顧客対応
        • 売上管理(Excelを使用)
        • 提案書・見積書・請求書の作成
        • 電話対応(週平均40件)
      • 実績:
        • 年間売上目標120%達成
        • 2023年度年間MVP賞受賞
  • ④資格・スキル

    業務に関連する資格やスキルを記載します。 応募求人の職務内容に直結するものを優先的に記載しましょう。

    • 記載例

      • 資格:日商簿記検定2級、MOS Excel Expert
      • スキル:Excel(vlookup関数、ピボットテーブル使用可能)、PowerPoint(資料作成)
  • ⑤自己PR

    自身の強みや仕事に対する姿勢を具体的なエピソードを交えて記載します。 スキルに不安がある場合は「現在は不慣れですが、今後必要に応じて勉強します。」等の前向きな一言を添えると効果的です。 また休職期間がある場合は休職期間に取り組んでいた事や成果・前向きな姿勢を盛り込むのもおすすめです。

    • 記載例

      私の強みは「向上心」と「正確性」です。 これまでの職務経験では、正確さが求められる業務を多数担当し、データ管理や伝票作成、議事録作成などで成果を上げてきました。 また休職期間中には新しいスキルを習得したいという想いからMOSの勉強に励み、資格を取得することができました。 ExcelやWordを活用したデータ管理や資料作成で業務効率化を図ることができました。 今後も向上心をもって、貴社に貢献していきたいと考えています。

  • ⑥障害について

    障害者雇用においては、以下の情報を適切に記載しましょう。

    • 障害名・等級
    • 業務上配慮してほしいこと
    • 業務上対応できること
    • 通院・服薬の状況
    • 記載例 1:下肢障害

      • 障害名・等級: 下肢障害3級
      • 業務上配慮してほしいこと: 日常生活で義足を装着しており、長距離歩行は疲れやすいです。 長距離の移動や初めていく場所には杖を利用して移動します。 かがむ姿勢が難しく、和式トイレは利用できません。 重量物の運搬を伴う業務の免除いただきたいです。
      • 業務上対応できること: 慣れている場所やオフィス内では杖は使用せず歩行できます。 先天性の障害のため、周りの配慮はほぼ必要としません。
      • 通院・服薬の状況: 定期通院はありませんが、2年に1度義足のメンテナンスが必要です。
    • 記載例 2:上肢障害

      • 障害名・等級: 上肢障害2級
      • 業務上配慮してほしいこと: 腕が動かしづらく、両手の握力が弱いです。 5kg以上のものを持ち上げることは配慮が必要です。 お茶汲みのような業務や、高い所にあるものを動かす動作も配慮いただきたいです。 デスクワークの作業は健常者の方と比べると若干遅めをご理解ください。
      • 業務上対応できること: PC入力・操作は両手で行うことが可能です。
      • 通院・服薬の状況: 1か月に1度、火曜日に通院しており、半休を希望します。 通院の曜日は他の曜日への変更の相談可能です。 痛み止めを服薬しています。
  • 最終チェックの重要性

    履歴書や職務経歴書を書き終えたら、誤字や脱字、表現の間違いがないかを必ず確認しましょう。 こうしたミスは、細部への注意力が欠けている印象を与えかねません。以下の方法でチェックを行うことをお勧めします。

    • 声に出して読み直す: 声に出して確認することで、誤字や文法ミスに気づきやすくなります。

    • 第三者に確認してもらう: 家族や友人、支援者に書類を見てもらい、客観的な意見をもらいましょう。

    • 校正ツールを活用する: 無料の校正ツールを使用し、スペルミスや文法の誤りをチェックしましょう。

    履歴書と職務経歴書は、自分自身を企業にアピールする大切な書類です。 特に障害者雇用では、自分の特性や必要な配慮を正確に伝えることで、採用担当者に安心感を与え、採用後のミスマッチを防ぐことができます。 これらのポイントを意識して作成し、応募先企業にとって魅力的な書類を仕上げましょう。

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