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上肢障害のある方の仕事選びとは?おすすめの職種と働きやすい環境を解説

上肢障害のある方の仕事選びとは?おすすめの職種と働きやすい環境を解説

上肢障害のある方についている仕事と働きやすい環境

上肢に障害がある方の中には、「どんな仕事が自分に向いているのだろう?」「無理なく働ける環境って、どんな場所なんだろう?」と、日々悩みや不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。

体に不自由さを抱えながらも、自分の力で生活を支えたい。安心して働ける場所で、自分らしく毎日を過ごしたい。

そんな想いを持つ方は、きっと少なくないでしょう。

一方で、企業の方々にとっても、上肢障害のある方が持つ力に目を向け、安心して働けるような環境を整えることは、職場の多様性を広げ、組織の活性化にもつながっていきます。

このコラムでは、上肢障害のある方が前向きに働くためのヒントをお伝えしていきます。

どんな仕事が向いているのか、どんな職場なら安心して働けるのか、そしてどんな支援が受けられるのか。

働くことへの一歩を後押しできればと思います。

仕事を探しているご本人はもちろん、サポートをしているご家族や支援者の方、また企業の担当者の方にも、参考にしていただける内容を目指しています。

どうか、「自分らしく働く未来」をあきらめずに、このコラムをその第一歩にしていただけたら嬉しいです。

 

上肢障害とは

上肢障害とは、腕や手に関する機能に制限がある状態のことを指します。

日常生活や仕事において、細かい動作や力の入れ具合などに困難が生じることがあり、症状の内容や程度は人によってさまざまです。

上肢は、物をつかむ・書く・タイピングをする・食事をするなど、生活のあらゆる場面で使われる大切な部分です。

そのため、上肢に障害があると、思い通りに動かせないことによるもどかしさや、人の目が気になることもあるかもしれません。

ここでは、上肢障害の種類や特徴、そして日常生活や仕事にどのような影響が出やすいのかについて、ご説明します。

 

上肢障害の種類と特徴

上肢障害とは、肩から指先までの腕全体の機能に制限がある状態を指します。

具体的には、以下のような様々な種類と特徴があります。

  • 欠損障害:
      事故や病気により、腕や指の一部または全体を失った状態です。
      義手などの装具を使用する場合もあります。
  • 機能障害:
      骨折や神経の損傷、病気などによって、腕や指に麻痺(まひ)や拘縮(こうしゅく)、筋力の低下などが起きている状態です。
      例えば、物を掴むのが難しい、細かい作業ができない、腕を上げられないといった症状があります。
  • 変形障害:
      関節リウマチなどにより、腕や指の関節が変形し、動きに制限がでている状態です。

 

これらの障害は、生まれつきのものもあれば、病気や事故による後天的なものまで様々で、その程度も軽度から重度まで人それぞれです。

そのため、同じ「上肢障害」といっても、できることや困ることには幅があります。

 

腕の機能が低下している

日常生活や仕事への影響

上肢障害があると、日常生活のあらゆる場面に影響を及ぼすことがあります。

例えば、洋服の着脱や食事、入浴といった基本的な動作から、料理や掃除などの家事、買い物など、腕や指を使う動作全般に大きな支障が生じる可能性があります。

このため、道具を使ったり、動作を工夫したりしながら、自分のペースで生活することが大切です。

仕事においては、パソコンのタイピング、書類の整理、物を持ち運ぶ作業、機械の操作など、多くの業務で上肢を使うため、特定の作業が困難になったり、時間がかかったりすることがあります。

また、健常者と同じペースで作業できないことへの不安や、周囲に負担をかけてしまうのではないかという精神的な負担を感じる方も少なくありません。

ただし、工夫次第でできることも多く、大切なのは、「何ができないか」ではなく、「どんな工夫やサポートがあればできるようになるか」を考えること。

周囲の理解や環境の整備があれば、安心して働ける場はきっと見つかります。

上肢障害のある方が仕事で抱える悩み

上肢に障害がある方が仕事を探すときや働いているときには、さまざまな悩みや不安が生まれることがあります。

体がうまく動かないことで、できる作業が限られたり、周囲に迷惑をかけてしまうのでは…と心配になったりすることもあるかもしれません。

ここでは、上肢障害のある方が職場で感じやすい主な悩みについて、いくつかご紹介します。

同じような悩みを抱えている方にとって、「自分だけじゃない」と思えることや、対処のヒントが見つかるきっかけになれば嬉しいです。

できる業務の制限

上肢の機能に制限があるため、できる仕事の種類が限られることが大きな悩みの一つかもしれません。

たとえば、両手を使う作業、重たいものを持つ仕事、道具の細かい操作が必要な作業、頻繁に腕を動かす立ち仕事などは、難しい場合があるからです。

「この仕事、片手でもできるかな」「途中で手が疲れてしまわないかな」といった心配から、仕事の選択肢が狭く感じてしまうこともあるでしょう。

ただ、最近では作業を分担したり、補助具を活用したりと、工夫次第でできることが広がる職場も増えています。

あなたの「できること」に光を当ててくれる場所は、きっとあるでしょう。

運搬作業をする女性

作業効率や速度への不安

上肢障害がある方、通常の業務を行う際に時間がかかってしまうこともあります。

「まわりの人より遅い」「迷惑をかけてしまっているかも」と、周囲との違いを気にしてしまうこともあるでしょう。

でも、仕事で大切なのは、スピードだけではありません。

一つひとつの作業を丁寧に行うこと、正確にやり遂げることも、同じくらい価値のあることです。

職場によっては、自分のペースを尊重してくれるところや、できる範囲の業務に調整してくれるところもあります。

不安をひとりで抱え込まず、相談できる環境があると安心です。

通勤の負担

公共交通機関の利用や長時間の移動は、上肢障害のある方にとって大きな負担となることがあります。

電車でつり革につかまりにくい、ラッシュ時にバランスを保つのが難しい、駅やバス停で手すりを使うのが大変など、普段は見えにくい部分で苦労があるかもしれません。

通勤しやすい時間帯やルートを選べるかどうかも、働きやすさを大きく左右するポイントです。

また、最近では、在宅勤務(リモートワーク)ラッシュ時を避けられる時差出勤など柔軟な働き方を取り入れている企業も増えています。

職場までのアクセスがスムーズで、移動にかかるストレスが少ない環境を選ぶことで、毎日の疲労感を和らげ、仕事に集中しやくすなるでしょう。

周囲の目が気になる

職場の中で、「あの人はどうしてあの作業をしていないんだろう」と思われていないか、「偏見を持たれないかな」と心配になることもあるかもしれません。

特に障害が外から分かりにくい場合は、周りの人にどう説明すればいいか悩んだり、誤解されることを恐れたりするかもしれません。

一方で、障害を隠して働くことにストレスを感じる場合もあり、周囲との良好な関係を築くことに難しさを感じることもあります。

職場に障害への理解があると、こうした不安はぐっと減ります。

職場に配慮をお願いすることは、決してわがままではありません。

自分にとっても、まわりにとっても、安心して働ける関係を築くための大切なコミュニケーションです。

あなたのことを理解しようと努めてくれる、温かい職場環境を一緒に探していきましょう。

 

上肢障害のある方に適した職場環境

上肢に障害があるからといって、仕事の選択肢がなくなるわけでは決してありません。

体の状態や得意なこと、興味のある分野に合わせて、活躍できる場面はたくさんあります。

ここでは、上肢障害のある方が比較的取り組みやすいとされている職種や働き方を、いくつかご紹介します。

企業の方々も、これらの職種を参考に、多様な人材が活躍できる場を検討してみてはいかがでしょうか。

事務職

デスクワークが中心な事務職は、体への負担が少なく、自分のペースで取り組みやすいお仕事です。

業務内容が主にパソコンを使った業務が中心で、重い物の運搬や頻繁な移動が少ないため、上肢の機能に制限があっても効率的に働けます。

一般事務職
書類作成やデータ入力、電話応対、メール応対など、基本的に事務職の中でもデスクワークが中心です。

業務の進め方に柔軟性があり、上肢障害があっても工夫次第で十分にこなせる仕事です。

もし、指先の細かな動きが少し苦手だと感じる場合は、片手で操作できるマウス音声入力ソフトなど、ご自身に合ったツールを活用することで、負担を軽減しつつ、スムーズに業務を進めやすくなるでしょう。

コツコツと丁寧な作業が得意な方に、ぜひ検討いただきたいお仕事です。

経理・財務
数字の管理や会計処理を行う職種も、デスクワーク中心で働くことができます。

正確さと集中力が求められますが、専門的な知識を活かして活躍できるでしょう。

特に、会計ソフトを使用することで、上肢障害による作業の制約を最小限に抑えながら、効率的に業務を進めることが可能です。

コールセンター

コールセンターのお仕事は、電話を通じてお客様からのお問い合わせに対応したり、商品やサービスの説明を電話やメールでのコミュニケーションが業務の中心です。

手や腕を使う作業が少なく、上肢を使う作業はパソコンでの情報入力程度で、手先の細かな動きが苦手な方でも、取り組みやすく、上肢障害をお持ちの方でも活躍しやすいでしょう。

お客様に寄り添い、正確な情報を伝える力が大切になります。

企業にとっては、お客様の声を大切にする上で、頼りになる人材となる可能性があります。

デザイナー・クリエイター

Webデザイナーやグラフィックデザイナー、イラストレーター、DTPオペレーター、動画クリエイターなど、創造性を活かせる分野の仕事もおすすめです。

これらの仕事は、パソコンやタブレット、専用のソフトを駆使して作業を進めることがほとんどです。

ペンタブレットや特別な入力デバイスを活用することで、上肢への負担を軽減できるでしょう。

個人のセンスやスキルが重視されれるため、能力を発揮しやすい環境です。

企業は、多様な視点やアイデアを持つクリエイターを獲得できるメリットがあります。

 

在宅ワーク

通勤の負担を減らし、ご自身のペースで働ける在宅ワークは、上肢障害をお持ちの方にとって、とても魅力的な働き方です。

自宅にいながら、さまざまな業務に携わることができます。

企業は、場所に縛られずに優秀な人材を雇用できるため、採用の可能性を大きく広げられます。

笑顔で在宅ワークする女性

Webライター・編集

企業やメディアのWebサイトの記事を書いたり、ブログの記事を作成したり、コンテンツを編集したりなど、文章を書くことが得意な方におすすめの仕事です。

キーボード入力や音声入力がメインとなるため、上肢への負担を抑えながら作業できますし、

自宅で集中して作業に取り組めます。

情報を集める力や、文章を構成する力が求められます。

データ入力・管理

企業のデータベースやお客様の情報を入力したり、整理したりする仕事です。

正確性とスピードが求められますが、繰り返し行う業務が多いため、慣れれば効率的に進められるでしょう。

特別なスキルよりも、集中して作業に取り組むことが好きな方に向いています。

パソコン操作が中心となるため、上肢の機能に合わせて入力方法を工夫すれば、問題なく業務を遂行できるでしょう。

カスタマーサポート

チャットやメールを通じて、お客様からの問い合わせに対応する仕事です。

コールセンターと同様に、主に文章でのコミュニケーションが求められますが、

電話でのやりとりが難しい場合でも、テキストでのコミュニケーションであれば無理なく行えます。

丁寧な言葉遣いや、お客様の困りごとを的確に解決する力が重要となり、顧客対応経験やコミュニケーションスキルが活かせます。

 

上肢障害のある方が働きやすい環境

上肢に障害をお持ちの方々が、お仕事でご自身の能力を最大限に発揮し、安心して長く活躍し続けるためには、職場の環境が何よりも大切です。

毎日を気持ちよく過ごし、仕事に集中できる場所を見つけることは、皆さんのキャリアを築く上でとても重要になります。

ここでは、上肢障害のある方が「ここなら安心して働ける」と感じるような、具体的な職場のポイントをいくつかご紹介します。

企業の方々にとっても、これらのポイントは、多様な人材を迎え入れ、誰もが快適に働ける職場づくりを進めるためのヒントとなるはずです。

社員一人ひとりが輝ける環境を整えることは、会社の成長にもきっとつながるでしょう。

障害への理解と配慮がある職場

障害に対する深い理解を持ち、一人ひとりに合わせて、適切で柔軟に配慮をしてくれる職場は、働くうえでの安心感が違います。

障害の特性をきちんと理解し、何が得意で、どんな工夫があればもっと力を発揮できるのかを考え、

それに基づいたサポートを提供してくれる職場は、安心して自分の力を発揮し、仕事に集中することができます。

業務内容や勤務時間の調整

障害の程度や、体調に合わせて仕事内容や担当業務を調整してくれたり、勤務時間や休憩時間を柔軟に設定してくれたりする企業もあります。

週に数日の在宅勤務や短時間勤務、時差出勤を認めてもらえると、身体的な負担は大きく軽減されるでしょう。

また、「重いものを持たなくてもいい作業を任せてもらう」「電話対応を控えてもらう」など、ちょっとした配慮があるだけで、働きやすさはぐっと高まります。

必要な設備やツールの導入

作業効率を向上させるために、必要な設備やツールの導入に快く協力してくれる職場も重要です。

片手でも操作しやすいパソコンやマウス、音声入力ソフト、身体にあったオフィスチェア・昇降式デスクなど個々の状況に応じて導入してくれるかどうかも確認しましょう。

これらの必要な機器やツール・設備があることで、身体への負担を軽減して、より快適に業務に集中できます。

相談しやすい社内の雰囲気

困ったときに「ちょっと相談してもいいかな」と思える雰囲気は、とても大切なポイントです。

障害についての悩みだけでなく、仕事の進め方や人間関係など、何でも気軽に話せる上司や同僚がいることで、不安が軽くなります。

また、定期的な面談の機会がある企業では、仕事の状況や困りごとを共有しやすく、ひとりで抱え込まずに済みます。

誰かに「大丈夫?」と声をかけてもらえるだけで、安心して働ける方も多いのではないでしょうか。

通勤のしやすさ

通勤は、毎日のことだからこそ、体への負担ができるだけ少なくなるような工夫があると嬉しいですよね。

たとえば、駅から近い職場、エレベーターのあるビル、バリアフリーのルートが整っていると、それだけで通勤がラクになります。

また、最近はリモートワークや時差出勤などを導入している企業も増えてきました。

満員電車を避けたり、自宅で働けたりすることは、上肢に障害のある方にとっても大きなメリットです。

このように、ちょっとした配慮や理解のある環境は、上肢障害のある方が安心して長く働くために欠かせません。

職場選びの際には、「仕事内容」だけでなく、「どんな環境で働けるか」も大切なポイントとして意識してみてください。

<PCを持ってOKサインをする女性

上肢障害のある方の就職・転職を支援するサービス

「働きたい」という気持ちはあるけれど、どこに相談すればいいのかわからない…。

そんな不安を抱える方も少なくありません。

実は、上肢障害のある方が仕事を探すときには、さまざまな支援サービスを活用することができます。

ここでは、公的機関と民間サービスの両面から、就職や転職をサポートしてくれる制度や窓口をご紹介します。

頼れる場所があることを知っておくだけでも、安心感がぐんと高まりますよ。

公的機関の支援

まずは、国や自治体が行っているサポートから見てみましょう。

相談や職業紹介は基本的に無料で利用でき、専門のスタッフが丁寧に対応してくれます。

ハローワーク

ハローワークでは、障害者向けの専門窓口を設置しており、上肢障害のある方でも安心して相談できる環境が整っています。

職業相談や求人紹介、面接対策など、幅広いサポートを提供しています。

また、障害者向けの職業訓練や、特別な就労支援プログラムも用意されており、自分に合った仕事を見つけるための支援が受けられます。

さらに、就職後のフォローアップも行っており、長期的に安定して働けるよう支援が提供されています。

地域障害者職業センター

地域障害者職業センターは、障害者の就労支援を行う公的機関で、職業訓練や職場適応のサポートを行っています。

個別のニーズに応じた支援を提供しており、上肢障害に特化した相談も可能です。

例えば、職場での環境調整や、必要な支援機器の導入に関するアドバイスが受けられます。

また、センターでは、職業リハビリテーションプログラムが提供されており、就労に必要なスキルや知識を身につけることができます。

これにより、実際の職場での適応がスムーズに進むよう支援が行われます。

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターは、就業だけでなく、生活面での支援も行う施設です。

上肢障害のある方が安心して働けるよう、職場でのトラブル対応や、生活面での相談も行っています。

例えば、職場でのコミュニケーションに関する問題や、生活環境の改善に向けたアドバイスが提供されます。

また、職場での適応を促進するためのプログラムも提供されており、上肢障害に配慮した職場環境の整備が進められます。

さらに、就業に関する法的支援や、各種手当の申請サポートも行われており、安心して働ける環境づくりがサポートされています。

民間の支援サービス

公的機関のほかにも、障害者の就職・転職を支援する民間サービスも多数あります。

なかには、上肢障害を含む身体障害に特化したサポートを行っているところもあり、自分に合ったサービスを選ぶことが大切です。

 

障害者雇用に特化した転職サイト・エージェント

障害者雇用に特化した転職サイト・エージェントは、専門のキャリアアドバイザーが在籍し、障害への理解が深い企業を紹介してくれるサービスです。

職種選びから履歴書や職務経歴書の添削、面接の練習、企業との条件交渉、入社後のサポートまで一貫して支援してもらえるため、就職活動が初めての方にも安心です。

当社の障害者向け職業紹介サイト「スグJOB」では、上肢障害のある方の強みや希望条件に合わせた求人を紹介しています。

ご興味のある方はスグJOBをご覧ください。

 

就労移行支援事業所

就労移行支援事業所では、障害者が一般企業での就労を目指すための支援を行っています。

職業訓練や実習を通じて、就労に必要なスキルを身につけることができます。

例えば、パソコン操作やビジネスマナーの訓練が提供され、実際の職場で求められるスキルを習得できます。

また、実習を通じて、実際の業務を体験しながら、自分に合った仕事を見つけることが可能です。

就職後も職場適応のサポートが行われており、長期的な就労が可能となるよう支援が提供されています。

 

 

障害者雇用の形態と働き方

上肢障害のある方が働く方法は、ひとつではありません。

自分の体の状態や希望に合わせて、さまざまな働き方や雇用形態を選ぶことができます。

ここでは、代表的な3つの障害者雇用の形態をご紹介します。

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一般企業の障害者雇用

一般企業における障害者雇用は、法定雇用率に基づき、企業が一定割合の障害者を雇う制度により実現されています。

上肢障害のある方に対しては、仕事内容や業務量に配慮がなされることが多く、無理なく働ける環境づくりが進められています。

また、社内には障害者支援担当者が配置されているケースもあり、困りごとを気軽に相談できる体制が整っている企業も増えています。

正社員として長く安定して働くことを目指す方や、職場でスキルを磨いてキャリアアップしたい方には、特におすすめの選択肢です。

特例子会社での雇用

「特例子会社」とは、親会社が障害者雇用のために設立したグループ企業のことです。

障害のある社員が働きやすいように、職場環境や業務内容が工夫されており、社内には支援スタッフが常駐していることも多いため、初めての就職で不安がある方や、サポート体制が整った環境で働きたい方には安心です。

仕事内容は、事務作業や軽作業、データ入力、メール対応などが中心で、自分のペースで取り組める仕事が多くあります。

 

就労継続支援事業所の利用

一般企業での就職がすぐには難しいという方には、「就労継続支援A型・B型事業所」の利用もひとつの選択肢です。

  • A型は雇用契約を結んで働くスタイルで、最低賃金が保障されます。
    支援スタッフと一緒に働くことで、徐々に就労のリズムやスキルを身につけていくことができます。
  • B型はより支援が手厚く、体調や能力に応じて無理のない範囲で作業ができるため、働くことに自信をつけたい方に向いています。

どちらも、就労のステップとして活用できる場であり、福祉と仕事の中間地点のような存在です。

自分にとってどの働き方が無理なく続けられるかを見極めるためには、就労支援機関やカウンセラーと相談しながら進めていくことが大切です。

まとめ:あなたに合ったお仕事と働き方を、一緒に見つけていきましょう

上肢障害のある方がお仕事を見つける上で、何よりも大切なのは、ご自身の障害の程度や特性、得意なこと、そして「これが一番大切!」と思えることを、まずはっきりさせることです。

すべてのお仕事が難しいわけではなく、ちょっとした工夫次第で、あなたがイキイキと活躍できるお仕事は、実はたくさんあるんです。

事務職やコールセンター、デザイナーさんといったお仕事や、在宅ワークなど、腕や手への負担が少ない働き方を、ぜひ考えてみてください。

そして、職場を選ぶ際には、あなたの障害への理解や温かい配慮、そして何でも相談しやすい雰囲気、通勤のしやすさなどを大切にすることが、あなたが長く、心地よく働き続けるための鍵となります。

ハローワークや地域障害者職業センターなどの公的な機関、そして障害者雇用に特化した転職サイトや就労移行支援事業所といった民間のサポートサービスを、遠慮なく積極的に活用して、専門家の方の温かいアドバイスを受けながら、あなたにとって一番素敵なお仕事と働き方を、一緒に見つけていきましょう。

あなたらしく輝ける場所は、きっと見つかりますよ。

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この記事の執筆者

村上 智之職業:愛知県委託事業 資格:障害者パソコン訓練(スクエアマイスターシューレ)校長
村上 智之職業:愛知県委託事業 資格:障害者パソコン訓練(スクエアマイスターシューレ)校長

2012年スクエアプランニング株式会社を設立。2016年より障害者パソコン訓練を愛知県の委託を受けて開始。人材ビジネス20年以上の経験をもとに様々な障害をお持ちの訓練生に対して社会進出、社会復帰のお手伝いをさせて頂いております。 今後もより多くの方に安心や自信を持って頂くことを念頭に、様々な情報発信をしていきたいと考えています。

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