障害者手帳の更新手続きについて種別ごとに解説
障害者手帳は、障害のある方が福祉サービスを受けるために必要な証明書です。
この手帳を持っていることで、医療費の助成や税金の控除、公共交通機関の割引など、さまざまな支援を受けることができます。
そのため障害者手帳は、障害のある方の日常生活や社会参加において重要な役割を果たしています。
しかし、手帳には有効期限が設定されている場合があり、期限を過ぎると支援が受けられなくなることもあります。
そのため、事前に更新のタイミングを確認し、余裕を持って手続きを進めることが大切です。
この記事では、障害者手帳の種類ごとに更新の流れや必要な書類を詳しく解説します。
「どうやって更新すればいいの?」「必要な書類は?」といった疑問を解消し、安心して更新手続きを行えるようにしましょう。
これから更新を予定している方や、更新手続きを初めて行う方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。
障害者手帳とは
障害者手帳には、大きく分けて3種類あります。
それぞれの手帳で、対象となる方が異なります。
どのような特徴があるのか、順番に見ていきましょう。
身体障害者手帳
身体に障害がある方を対象とした手帳です。
視覚・聴覚・肢体・内部障害などの障害がある方が取得できます。
等級は1級から7級までの区分があり、このうち手帳が発行されるのは6級までとなっています。
この手帳を持っていると、医療費の助成や公共交通機関の割引、税制優遇などの支援を受けることができます。
療育手帳
知的障害のある方を対象とした手帳です。
また、知的障害を併発している発達障害の方にも交付されることがあります。
自治体によって名称や認定基準が異なります。
例として、名称には以下のようなものがあります。
- 愛の手帳(東京都)
- 愛護手帳(名古屋市)
等級はA(重度)とB(その他)に分かれているのが一般的ですが、自治体によってはさらに等級を設けている場合があります。
公共機関の割引、福祉サービスの利用や支援制度を受けるために必要な手帳となっています。
取得することで、医療や教育、就労支援などのさまざまなサービスを利用しやすくなります。
精神障害者保健福祉手帳
何らかの精神疾患があり、それによって長期にわたり日常生活に制約がある方が申請できる手帳です。
等級は1級から3級までとなっています。
対象となるのは、うつ病・統合失調症・てんかん・発達障害などの精神疾患を持ち、日常生活に制約がある方です。
この手帳を取得すると、就労支援や医療費の助成、公共料金の割引などの支援を受けることができます。
また、企業によっては障害者雇用枠での就職活動を有利に進めることができる場合もあります。
障害者手帳は、生活のさまざまな場面で役立つ制度です。
自分の状況に合った手帳を取得し、必要な支援を受けられるようにしましょう。
身体障害者手帳の更新について
身体障害者手帳は、視覚や聴覚、肢体不自由などの身体障害がある方が福祉サービスを受けるために必要な証明書です。
原則として有効期限の記載はなく、更新の必要もありません。
ただし、障害の程度が変わった際には、更新や等級変更の手続きを行う必要があります。
手帳に有効期限の記載がない場合は、更新の必要はない
身体障害者手帳は、基本的に有効期限が記載されていないため、通常は更新の必要がありません。
ただし、障害の程度が変わる場合や、記載内容に変更が必要な場合は変更手続きが必要になります。
例えば、障害の程度が軽減されて等級が変わる場合や、住所・氏名などの変更がある場合です。
適用される制度は自治体によって異なることがあるため、まずはお住まいの市町村の福祉窓口で確認しましょう。
手続きに必要なもの(市町村窓口で要確認)
更新が必要な場合、以下の書類を用意しましょう。
- 現在の身体障害者手帳
- 医師の診断書(必要な場合)
- 本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)
- 顔写真(自治体によって必要な場合あり)
手続きの詳細は自治体ごとに異なるため、事前に問い合わせて必要書類を確認しておくとスムーズです。
手続きの流れ
- 市町村の障害福祉窓口に相談する
- 必要な書類を準備する
- 診断書が必要な場合は、指定の医療機関で取得する
- 書類を窓口に提出する
- 審査結果を待ち、新しい手帳を受け取る
手続きには時間がかかることがあるため、早めに準備を始めることをおすすめします。
また、更新手続きの間に手帳が使えなくなることがないよう、手続き開始時期も確認しておきましょう。
療育手帳の更新について
療育手帳は、知的障害のある方が福祉サービスを受けるために必要な証明書です。
この手帳には、有効期限が設定されている場合があり、適切な時期に更新手続きを行うことが大切です。
成長や生活環境の変化により、障害の程度が変わることもあるため、更新時には再判定が行われることがあります。
手続きに迷わないよう、早めに準備を進めましょう。
療育手帳の更新について
療育手帳は、知的障害のある方が福祉サービスを受けるために必要な証明書です。
この手帳には、通常2年から10年で再判定時期が設定されており、定期的な更新が必要です。
また、成長や生活環境の変化に伴い、障害の程度が変わる可能性があるため、再判定が行われることがあります。
障害の程度が変わった場合にも更新の手続きが必要
知的障害の程度が軽くなったり、重くなったりした場合は、再度判定を受けることで手帳の等級が変更されることがあります。
そのため、現在の支援内容が適切であるかを確認するためにも、定期的な更新をおすすめします。
手続きに必要なもの(市区町村窓口で要確認)
- 療育手帳(現在のもの)
- 変更届(市区町村窓口でもらう)
このほか、自治体によっては医師の診断書や顔写真、印鑑、本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)を求められる場合があります。
必ずお住まいの市区町村窓口へ確認しましょう。
手続きの流れ
- 市区町村の窓口で更新手続きについて相談する
- 指定の判定機関で診断を受ける
- 必要な書類を準備し、窓口に提出する
- 審査後、新しい療育手帳を受け取る
手続きには、窓口の予約を取る必要がある場合があります。
時間がかかることが多いため、早めに準備を進めることをおすすめします。
更新時期が近づいたら、自治体から通知が届くことが多いので、見逃さないようにしましょう。
精神障害者保健福祉手帳の更新について
精神障害者保健福祉手帳は、精神疾患を持つ方が福祉サービスや支援を受けるために必要な証明書です。
更新を怠ると、これまで受けていた支援が一時的に停止する可能性があるため、早めに準備を進めることが大切です。
有効期限は2年間
精神障害者保健福祉手帳は2年間の有効期限があり、期限を過ぎる前に更新の手続きを行う必要があります。
更新を忘れると、手帳が無効となり、福祉サービスや各種支援を受けられなくなる可能性があります。
また、更新を行ってから発行までは1~2カ月程度の期間がかかることがあります。事前に余裕をもって手続きを進めましょう。
更新期間と更新手続きに必要な書類
更新の際には、以下の書類が必要になります。
- 現在の精神障害者保健福祉手帳
- 診断書(医師の意見書)または障害年金証書の写し
- 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
- 顔写真(自治体によって異なる)
必要書類は自治体ごとに異なることがあるため、事前に市町村の窓口で確認しましょう。
等級を上げたいときは変更申請が必要
病状が悪化し、より手厚い支援が必要になった場合は、等級変更の申請を行うことができます。
この手続きをすることで、受けられる支援内容が適切に見直されるため、必要に応じて申請を検討しましょう。
手帳の更新ができない場合もある
更新が認められないケースとその対応
- 障害の程度が軽減され、更新の必要がないと判断された場合
- 診断書の提出が間に合わず、更新手続きを完了できなかった場合
このような場合は、早めに医療機関や福祉窓口に相談し、対応策を考えることが大切です。
ご本人の意思によって更新しないケース
- 手帳を使う機会が少なくなった
- 支援を受ける必要がなくなった
手帳の更新は個人の判断による部分もあるため、必要に応じて更新するかどうかを考えましょう。
更新を忘れてしまった場合
障害者手帳の更新を忘れてしまった場合、手帳が無効になり、福祉サービスが受けられなくなる可能性があります。
しかし、手帳の再発行手続きを行うことで、再び必要な支援を受けることができます。
更新を忘れてしまった場合でも焦らず、まずは自治体の福祉窓口に相談し、適切な手続きを確認しましょう。
再発行手続きで受け取る
手帳の更新を忘れてしまった場合でも、再発行の手続きを行うことで、引き続き支援を受けることができます。
まずは、お住まいの自治体の福祉窓口に相談し、必要な手続きを確認しましょう。
再発行の手続きには、手帳の番号がわかるものや本人確認書類が必要になることがあります。
また、場合によっては、改めて医師の診断書を求められることもあるため、事前に必要書類を確認しておくことが大切です。
再発行には時間がかかることもあるため、できるだけ早めに手続きを進めるようにしましょう。
万が一、手続きが間に合わず支援が一時的に受けられなくなることが心配な場合は、市区町村の相談窓口や支援センターで対応策を相談することをおすすめします。
困ったときの相談先
障害者手帳の更新手続きに関して、不安や疑問を感じることがあるかもしれません。
そういった場合は、ひとりで悩まずに専門機関に相談することが大切です。
各自治体には、手続きの進め方や必要書類について案内してくれる窓口があります。
また、障害者支援センターでは、福祉サービスの活用方法や生活面のサポートに関するアドバイスを受けることができます。
さらに、就労支援機関では、手帳の更新に伴う就労支援制度の活用方法について相談が可能です。
- 自治体の福祉課
各市区町村の窓口で、更新手続きの詳細や必要書類について案内を受けることができます。 - 障害者支援センター
生活支援や福祉サービスの相談ができ、手続きに関するアドバイスも受けられます。 - 就労支援機関
障害者の就労に関する相談ができ、適切なサポートや制度の活用方法についての助言を得ることができます。
疑問があれば、早めに相談し、スムーズに手続きを進められるようにしましょう。
まとめ
障害者手帳の更新手続きは、手帳の種類ごとに異なるため、事前の確認が欠かせません。
更新の時期が近づいたら、まずはお住まいの自治体に問い合わせ、必要な手続きを把握しましょう。
有効期限を過ぎると、これまで利用できていた福祉サービスが一時的に停止することもあるため、余裕を持ったスケジュールで準備を進めることが大切です。
また、更新の際に必要な書類や申請方法が分からない場合は、早めに自治体の福祉課や障害者支援センターに相談することをおすすめします。
手続きを円滑に進めるためにも、不明点があれば遠慮なく問い合わせ、安心して更新を迎えられるよう準備しましょう。
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