障害者雇用で正社員になるためのポイントと仕事の探し方を解説
障害を持ちながらも正社員として安定した雇用を目指すのであれば、まず現状を正しく理解し、適切な対策を立てることが必要です。
「障害者雇用で正社員になりたいけれど、なかなか実現しない…」
「正社員になるには、どのような準備をすればいいの?」
こうした疑問や悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
本記事では、障害者雇用の現状や正社員登用の実態、正社員になるためのポイントや仕事の探し方を 詳しく解説 します。
この記事があなたのお役に立てれば幸いです。
障害者雇用の現状と正社員登用の実態
正社員として働くためには、まず障害者雇用の現状を知ることが大切です。
「障害者雇用の実態はどうなっているのか?」
「正社員登用はどれくらいの割合で行われているのか?」
こうした基本情報を理解しておくことで、より効果的なキャリアプランを立てることができるようになります。
正社員を目指す上での課題を理解し、効果的な対策を考えていきましょう。
障害者の雇用人数と法定雇用率
よく知られているように、障害者の雇用は 法律で定められた企業の義務 です。
企業は、従業員数に応じた一定割合の障害者を雇用しなければなりません。
この割合のことを「法定雇用率」といいます。
厚生労働省の「令和6年 障害者雇用状況の集計結果」によると、令和6年6月1日時点での 障害者の雇用状況 は以下のとおりです。
障害の種類 | 雇用人数 |
身体障害者 | 約368,949人 |
知的障害者 | 約157,795人 |
精神障害者 | 約150,717人 |
(「令和6年 障害者雇用状況の集計結果」より作成|厚生労働省|2024年|https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47084.html)
この調査では発達障害者が項目として分けられていません(精神障害者に内包されています)が、国が公式に集計したデータとなっています。
実雇用率を見ると2.41%となっており、これは13年連続で過去最高の値となっています。
法定雇用率は2024年4月から2.5%に引き上げられました(民間企業の場合)。
しかし、企業が法定雇用率を達成できている割合は 46.0% であり、前年より 4.1ポイント低下 しています。
つまり、依然として多くの企業が障害者の採用に課題を抱えているのが現状です。
障害別の正社員登用の割合
正社員としての雇用割合は、障害の種類によって違いがあります。
障害の種類 | 無期契約の正社員割合 |
身体障害者 | 59.3% |
知的障害者 | 20.3% |
精神障害者 | 32.7% |
発達障害者 | 36.6% |
特に 身体障害者の正社員登用率が高い 傾向にあります。
これは、身体障害者の場合、一定の配慮をすればフルタイム勤務が可能なケースが多いためです。
一方で、知的・精神・発達障害者の正社員登用率は比較的低く、契約社員やパートからのスタートが一般的 です。
正社員雇用と非正規雇用の違い
「正社員」と「非正規雇用」では、雇用形態や待遇に大きな違いがあります。
以下の表で 両者の違いを比較 してみましょう。
項目 | 正社員 | 非正規雇用(契約社員・パート) |
雇用の安定性 | 高い(解雇されにくい) | 低い(契約更新が必要) |
給与 | 毎月の金額が安定しており昇給もある | 時給制が多く、勤務時間によって変動する。昇給が少ない |
ボーナス | あり(年2回が一般的) | なし、または寸志など支給額が少ない |
福利厚生 | 社会保険の他、退職金など | 最低限の社会保険のみの場合が多い |
キャリアアップ | 昇進・役職のチャンスがある | 昇進の機会が限られる |
「正社員」以外のスタートが多い
障害者雇用では、まずは契約社員やアルバイトなどの非正規雇用からスタートし、業務に慣れた後に正社員登用を目指すケースが一般的です。
これは、企業が「この人が長く働けるか?」を見極めるための措置でもあります。
例えば、1年ごとの契約更新を経て、数年後に正社員登用されるというパターンがよく見られます。
短時間勤務など非正規雇用で自分に合った働き方を望む方は少なくない
「正社員になりたいけど、フルタイム勤務は難しい…」
そう感じる方もいるのではないでしょうか?
障害の種類や症状によっては、長時間働くことが難しい場合もあります。
そのため、短時間勤務や柔軟な働き方を希望し、あえて非正規雇用を選択する方も少なくありません。
例えば、こんなケースがあります。
- 週4日勤務で無理なく働きたい
- 通院の関係でフルタイム勤務ができない
- 疲れやすいため、短時間勤務を希望したい
このように、自分の体調やライフスタイルに合わせた働き方を選択することも大切 です。
次の章では、「障害者雇用で正社員が少ない原因」 について詳しく解説していきます。
障害者雇用で正社員が少ない原因
障害者雇用で正社員が少ない理由には、企業側と求職者側の両方の事情があります。
「障害者雇用で正社員になりたいのに、なかなか正社員の求人が見つからない」
「面接を受けても、契約社員やパートとしての採用ばかり…」
こうした悩みを持つ方も多いのではないでしょうか?
障害者雇用で正社員が少ないのには、いくつかの理由があります。
企業側の事情と、障害者側の事情の両面を理解することで、今後の就職活動のヒントが見えてきます。
ここでは、障害者雇用において正社員が少ない主な原因について詳しく解説していきます。
離職率の問題
「障害者は離職率が高い」というのは、企業が正社員採用に慎重になる大きな理由のひとつです。
障害者職業総合センターによると、障害者の1年以内の離職率は 約50% となっています。
(障害者職業総合センター「障害者の就業状況等に関する調査研究」|2017年|https://www.nivr.jeed.go.jp/research/report/houkoku/houkoku137.html)
これは、一般の労働者の15%と比較しても高い数値です。
こういった実績から、企業側には「せっかく採用しても、すぐに辞めてしまうかもしれない」という不安があります。
はじめから正社員雇用の求人が少ない
また、「そもそも、障害者向けの正社員求人が少ない」 という問題があげられます。
実際に、障害者雇用枠で募集されている求人の多くは、 契約社員やアルバイトが中心 です。
正社員求人が少ない背景には、以下のような理由があります。
- 企業が障害者雇用に不慣れで、どのように受け入れるべきかわからない
- 過去に障害者雇用の方の離職があったことから、企業が最初から正社員での雇い入れに慎重になっている
- まずは短期間の雇用で、業務適性を見極めたい
- 業務の切り出しが難しく、正社員としてのポジションを作るのが難しい
- 障害者雇用枠は、事務補助などの単純業務が多く、フルタイムでの正社員雇用を想定していない
そのため、「正社員での採用を前提とした求人を探すのが難しい」という状況になっているのです。
企業側は入社後に正社員採用を決めたい
企業側としては、「最初から正社員として採用するのはリスクがある」と考えています。
たとえば職場の環境になじめず、早期退職してしまったり、業務が期待通りにこなせるかなどは、企業からすると雇ってみないとわかりません。
あるいは通勤や勤務時間の調整が必要になり、長時間働くのが難しくなることもあるでしょう。
こうしたリスクを回避するために、多くの企業は 「まず契約社員やパートとして雇用し、一定期間の勤務状況を見てから正社員登用を判断する」という方法をとっています。
これは「登用実績あり」としている企業の求人にも見られる傾向です。
つまり、最初から正社員として採用されるケースは少なく、実際には「契約社員 → 正社員」の流れで登用される人が多い のです。
フルタイム勤務が難しい障害者側の理由
「フルタイム勤務が難しい方が多い」というのも大きな理由になっています。
日本は働き方改革が進み、時短勤務やフレックスタイム制が整備された企業も増えています。
しかし、まだまだ「正社員になるためにはフルタイムで働く必要がある」と考える企業が多いです。
障害のある方は、様々な理由からフルタイム勤務が難しい場合もあります。
フルタイム勤務が難しい障害の例
- 定期的な通院が必要で、毎日フルタイム勤務ができない
- 体力的な負担が大きく、長時間の勤務が難しい
- 集中力の維持が難しく、1日を通して安定した業務遂行ができない
このような理由から、「時短勤務」や「週3~4日勤務」を希望する方も少なくありません。
正社員に必要なスキル・条件の不足
そもそも、正社員になるためには、障害者雇用や一般雇用に関わらず、ある程度のスキルや経験が求められます。
しかし、障害者雇用の場合、次のような理由でスキル不足が課題になることがあります。
- 職歴が少なく、業務経験が不足している
- PCスキルや事務処理能力が低いため、即戦力として働くのが難しい
- 対人コミュニケーションが苦手で、職場での意思疎通に課題がある
企業側は、 「即戦力となるスキルがある人」 を正社員として登用するため、スキル不足の人は契約社員やアルバイトとして採用されることが多いのです。
障害者雇用で正社員になれる人材の特徴
企業が正社員として採用する際には、一定の基準があります。
この基準は当然企業や業種によっても異なりますが、多くの企業で評価されやすいものもあります。
ここでは、障害者雇用で正社員になりやすい人の特徴 について詳しく解説します。
「どうすれば企業に評価されるのか?」を知り、今の自分に足りない部分がないか確認してみましょう。
症状が安定している人
企業が最も重視するのは、「安定して働き続けられるかどうか」 です。
体調が不安定だと、頻繁な欠勤や休職につながり、業務の遂行が難しくなります。
そのため、正社員として採用されるためには、症状が安定していることが重要 です。
企業が求める「安定して働ける人」の条件
- 長期間、継続して働けること(短期間での退職が多いと不利になりやすい)
- 急な欠勤が少なく、勤務スケジュールを守れること
- 業務に必要な集中力や体力が維持できること
また、「安定している」と判断されるためには、定期的な通院や服薬管理ができていることも大切 です。
企業側も、障害者雇用に理解はありますが、安定して働ける人を優先して正社員登用する 傾向にあります。
職務経歴書に短期間での退職が多い場合はどうしても不利になりますが、書き方を変えるなどして少しでも不利がなくなるように対応しましょう。
たとえば「以前は健康状態が不安定でしたが、現在は服薬と通院により症状が落ち着き、長期間勤務が可能です」等と書き添えるだけでも、印象は変わります。
企業になじんで、協調性のある人
職場にうまく適応し、周囲と協力できることも、正社員登用の重要なポイント です。
企業は、単に「仕事ができる人」ではなく、職場のチームとして協調できる人材を求めています。
企業が求める「協調性のある人」の特徴
- 上司や同僚と適切にコミュニケーションが取れる
- 職場のルールやマナーを守れる
- 一緒に働く人を尊重し、チームワークを大切にできる
特に、報連相(報告・連絡・相談)がしっかりできることが重要 です。
例えば、体調が悪くなった時も、「突然休む」のではなく、事前に相談したり、休む必要があることを早めに伝えることができる人 は評価されやすいです。
通院などで定期的に休む必要がある方は、事前に相談し業務を調整できるようにしましょう。
一定の水準で仕事ができる人
正社員として登用されるためには、一定の業務遂行能力があることが求められます。
「決められた仕事を、一定の品質でこなすことができるか?」
「期限を守って、業務を遂行できるか?」
これらは、正社員登用の際に企業がチェックする重要なポイントです。
正社員登用されやすい人の業務能力の目安
能力 | 具体的な例 |
業務遂行能力 | 指示された作業を正確にこなせる |
自己管理能力 | 体調やスケジュールを適切に管理できる |
コミュニケーション能力 | 上司や同僚と円滑にやり取りできる |
継続的な学習意欲 | 必要なスキルを身につけようとする姿勢がある |
たとえば、パソコンを使う仕事であれば、最低限のExcelやWordの操作ができることが求められることが多いです。
また、工場や清掃業務などの仕事では、指示通りに作業を進めることができるかどうかが重要 です。
スキルに自信がない場合は、就労移行支援や職業訓練などを活用し、業務スキルを向上させることが正社員登用の近道 になります。
障害者雇用で正社員になるメリットとデメリット
正社員になったことがない方であれば、正社員という雇用形態そのものにあまり実感がなく、不安を感じることがあるかもしれません。
障害者雇用で正社員を目指す際には、メリットとデメリットの両方を理解することが大切 です。
正社員になることで得られる安定した収入やキャリアの成長のチャンスがある一方で、働き方の自由度が低くなるなどの課題もあります。
ここでは、正社員になるメリットとデメリット について詳しく解説していきます。
正社員のメリット
正社員として働くメリットは、安定した雇用条件やキャリアの機会が得られることです。
それぞれのメリットを見ていきましょう。
① 雇用の安定
正社員は契約期間の定めがないため、雇用が安定しています。
契約社員やパートの場合、契約更新が必要なため、「次の契約は更新されるのか…」 という心配がつきまといます。
しかし、正社員は雇用期間の定めがなく、安定して働き続けられる環境を整えることができます。
② 給与・待遇の向上
正社員は一般的に、契約社員やパートよりも給与水準が高い です。
また、定期的な昇給やボーナスの支給、退職金があることが多いため、長く働くほど収入が増えやすい という特徴があります。
以下は、30歳を基準とした雇用形態別の平均月収例です。
雇用形態 | 平均年収(目安) |
正社員 | 約288万円 |
正社員以外 | 約215万円 |
(厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」より作成|2023年|https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/)
③ 社会保険・福利厚生が充実
正社員は、企業の公的保険に加入できるため、安心して働けます。
特に、健康保険・厚生年金・雇用保険に加入できることは大きなメリット です。
社会保険の他にも、企業によっては以下のような福利厚生が受けられることもあります。
- 住宅手当や家族手当の支給
- 有給休暇の取得がしやすい
- 育休・介護休暇の利用が可能
なお「同一労働同一賃金」の考え方により、2020年(中小企業は2021年)から正社員と契約社員で待遇差をつけるのは禁止されています。
ですが、業務内容や勤務形態が正社員と違う場合は、これらの福利厚生が受けられないことがあります。
福利厚生の内容は企業によりますが、正社員の方がより手厚いサポートを受けられる傾向にあります。
④ キャリアアップのチャンスが増える
正社員は、企業内での昇進やキャリアアップの機会が多く、長期的に働くことでより責任のある仕事を任されることがあります。
例えば、以下のようなキャリアアップが期待できるでしょう。
- 一般社員 → リーダー → 管理職
- 専門職(技術職・IT職など)のスキル向上による昇給
- 社内研修や資格支援制度の活用
長く働くことで、スキルを磨きながら収入やポジションを上げることができるのは、正社員ならではの魅力です。
正社員のデメリット
一方で、正社員として働くことには、いくつかの デメリット もあります。
これらのデメリットを考え、あえて非正規社員の働き方を選んでいる方もいます。
正社員のデメリットについても見ていきましょう。
① 勤務時間や業務負担が大きくなる
正社員はフルタイム勤務が基本です。
そのため、「長時間勤務が難しい」「柔軟な働き方を希望している」 という方にとっては負担になることがあります。
企業によっては、残業や休日出勤が発生することもあります。
体調を考慮しながら、無理のない働き方を選ぶことが大切です。
② 業務の責任が増える
正社員は、契約社員やパートよりも業務の責任が大きくなります。
- 納期や成果を求められ、プレッシャーが強くなる
- リーダーシップや後輩指導を求められることがある
- 業務量が増え、対応に追われることがある
「無理なく働きたい」「シンプルな業務に専念したい」という場合は、正社員よりも契約社員やパートの方が合っているかもしれません。
③ 柔軟な働き方がしにくい
契約社員やパートであれば、時短勤務や週3~4日の勤務など、柔軟な働き方が可能なケースが多いですが、正社員は基本的にフルタイム勤務が求められます。
「週5日フルタイム勤務」が前提となっていることが多いため、例えば、通院やリハビリが必要な場合でも、スケジュール調整が難しくなる可能性 があります。
正社員になる前に、「自分の体調やライフスタイルに合っているか?」 をしっかり考えることが重要です。
障害年金が支給停止になる可能性はある?
正社員として働くことで、障害年金が停止または減額される可能性がある という点も注意が必要です。
障害年金は、障害の状態や所得に応じて支給額が決まるため、年収が一定額を超えると支給停止になることがあります。
障害の種類や状況によっては、障害年金を受け取りながら無理なく働くことが選択肢に入ります。
以下の表は、目安となる年収と障害年金の支給状況を示したものです。
年収 | 障害年金(2級) |
370万4千円以下 | 支給継続 |
370万4千円から
472万千円 |
2分の1支給停止 |
472万千円を超える | 全額停止 |
※上記は目安であり、詳細な判定は年金機構の審査によります。
正社員を目指す際は、障害年金とのバランスを考えながら、どの働き方が最適なのかを慎重に判断することが大切 です。
自分の働き方やライフスタイルに照らし合わせて考えてみましょう。
障害者雇用で正社員になるための準備とコツ
「正社員になりたいけれど、何を準備すればいいの?」
「どんな人が企業から評価されやすいの?」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
障害者雇用で正社員を目指すには、しっかりとした準備と戦略が必要 です。
スキルの習得や職場環境の適応力を高めること、企業側に必要な配慮を適切に伝えることが 正社員登用への近道 となります。
ここでは、障害者雇用で正社員になるための具体的な準備とコツ について詳しく解説します。
スキルを身につける
正社員として長く働くためには、企業が求めるスキルを身につけることが重要 です。
障害者を正社員として登用する際、企業が求めるスキルをいくつか見ていきましょう。
① 基本的なPCスキル
現代の企業では、パソコンを使う業務が一般的 です。
接客業や技術職であっても、日報やメールなどは電子化されている場合があります。
最低限のPCスキルは今やどこでも必須と言えます。
また、正社員としてキャリアを積み重ね、いずれ管理職を目指すのであれば、どのような職種であってもPCスキルは必須となります。
最低限、以下のようなスキルを身につけておくと、正社員登用後の業務だけでなく、事務職やデスクワークの仕事にも応募しやすくなります。
- Excel:表計算、データ入力、簡単な関数の使用
- Word:文章作成、書類作成の基本操作
- メール:ビジネスメールの作成、添付ファイルのやり取り
PCスキルに不安がある場合は、職業訓練や就労移行支援を活用して学ぶ のがおすすめです。
② コミュニケーションスキル
企業が正社員に求める重要なスキルの一つが「コミュニケーション能力」 です。
コミュニケーションスキルといっても、営業などでない限り「上手く喋る」「面白い話をする」必要はありません。
意思疎通と情報共有ができ、決められたことを守る人間であることは、どんな企業であっても正社員の必須条件です。
- 報連相(報告・連絡・相談)ができる
- 職場のルールやマナーを守れる
- 指示を適切に理解し、実行できる
特に、上記のことを心がけると良いでしょう。
職場での人間関係を円滑にするためにも、上司や同僚と適切にやり取りするスキルを身につけておくことが必要です。
③ 専門的な資格の取得
スキルを証明する手段として、資格を取得することも有効 です。
正社員採用で有利になる資格には、以下のようなものがあります。
職種 | 役立つ資格 |
事務職 | MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)、日商簿記(3~2級) |
IT・Web | ITパスポート、基本情報技術者 |
福祉・介護 | 介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)、介護福祉士 |
接客・販売 | サービス接遇検定、リテールマーケティング(販売士) |
「どんな仕事に就きたいのか?」を考えながら、その業界で役立つ資格を取得することで、正社員採用のチャンスが広がります。
必要な配慮を企業に伝える
正社員として長く働くためには、自分に必要な配慮を企業に正しく伝えること も重要です。
障害があるからと遠慮してしまう方もいるかもしれませんが、企業には適切な配慮を行う義務があります。
ただし、企業側が全てを把握しているわけではないため、自分の障害特性を理解し、必要なサポートを明確に伝えることが大切 です。
① どのような配慮が必要かを明確にする
必要な配慮を伝えるために、以下のポイントを整理しておきましょう。
- 苦手な業務やできないこと(例:電話対応、長時間の立ち仕事)
- 必要な配慮やサポート(例:時差出勤、短時間勤務、静かな作業環境)
- 得意な業務や強み(例:データ入力が得意、集中力が高い)
こうした情報を 「合理的配慮」として企業に伝えることで、働きやすい職場環境を作ることができます。
② 配慮を伝えるタイミングと方法
企業に配慮を伝える際は、応募時の履歴書や面接の場で伝える のが一般的です。
ただし、「伝え方」にもポイントがあります。
- 事実を簡潔に伝える(「私は◯◯の障害があり、△△の配慮が必要です」)
- できること・得意なことも伝える(「このような環境なら問題なく業務をこなせます」)
- 企業の負担になりすぎない配慮を考える(合理的な範囲での調整)
このように伝えることで、企業側も受け入れやすくなります。
障害者雇用の正社員に採用されやすい人と採用されにくい人
「どんな人が正社員になりやすいのか?」を理解することも大切です。
下の表で、採用されやすい人と、採用されにくい人の特徴 を比較してみましょう。
採用されやすい人 | 採用されにくい人 |
体調が安定している | 体調が不安定で欠勤が多い |
コミュニケーションが取れる | 指示を受けても理解が難しい |
業務スキルを身につけている | スキルや経験が不足している |
企業文化になじめる | 協調性がなく、チームワークが苦手 |
採用されにくい特徴に当てはまる場合は、少しずつ改善することで、正社員登用の可能性が高まります。
障害者雇用で正社員登用を目指す方法は2つ
「正社員になりたいけれど、どうやって求人を探せばいいの?」
「まずは契約社員として入社して、正社員を目指す方法もあるの?」
就職活動を始めて、このような悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
障害者雇用で正社員を目指すには、大きく分けて 2つの方法 があります。
1つは 最初から正社員求人を探して応募する方法 です。
もう1つは 契約社員やパートとして入社し、実績を積んで正社員登用を目指す方法 です。
どちらの方法が自分に合っているのかを理解し、計画的に就職活動を進めていきましょう。
正社員求人を探す
まず、最初から正社員として採用される求人を探す方法 です。
この方法は、「すぐに正社員になりたい」「長期的に安定した働き方をしたい」 という方におすすめです。
しかし、障害者雇用での正社員求人は少ないため、求人情報の探し方や活用できる支援サービスを知っておくことが重要 です。
① 就労移行支援事業所を活用する
就労移行支援事業所は、障害のある方が一般企業への就職を目指すためのサポートを行う施設 です。
「正社員になりたいけれど、スキルや経験に不安がある…」という方におすすめの支援機関です。
就労移行支援で受けられるサポート
- ビジネスマナーや業務スキルの習得(PC操作・事務作業・コミュニケーション研修など)
- 履歴書・職務経歴書の作成サポート
- 企業への実習やインターンシップの紹介
- 面接対策のサポート
- 定着支援(入社後の職場適応サポート)
就労移行支援を利用することで、正社員登用のチャンスがある企業との出会いが増えます。
特に、「就労移行支援を利用した人を優先的に正社員として採用する企業」 もあるため、活用する価値は大きいでしょう。
② 地域障害者職業センターを活用する
地域障害者職業センターでは、障害のある方の職業相談や就職支援を行っています。
ここでは、「ジョブコーチ支援」 と呼ばれる制度があり、企業での業務遂行をサポートしてもらえます。
ジョブコーチの役割とは?
- 職場での業務指導をサポート(仕事の進め方を一緒に考える)
- 上司や同僚との円滑なコミュニケーションを支援
- 職場環境の調整を企業と一緒に行う
ジョブコーチの支援を受けながら働くことで、安定して業務をこなせるようになり、正社員登用の可能性が高まります。
③ ハローワークで正社員求人を探す
ハローワークには、障害者雇用を目指す方向けの専用窓口 があります。
ハローワークで受けられるサポート
- 障害者雇用枠の正社員求人の紹介
- 履歴書・職務経歴書の添削
- 面接対策や模擬面接の実施
- 職業訓練の案内
また 「障害者トライアル雇用制度」 という、一定期間試験的に働いた後、企業と社員が互いに正式な雇用を判断するという制度もあります。
これを活用することで、まずはお試しで働きながら正社員の可能性を探ることができます。
④ 障害者雇用を専門にした求人サイトやエージェントを利用する
正社員求人を探す方法として、障害者雇用専門の転職エージェントや求人サイトを利用するのも効果的です。
「スグJOB」 では、障害者向けの正社員求人が豊富に掲載されています。
障害者向け転職エージェントのメリット
- 正社員登用の可能性がある企業を紹介してもらえる
- 履歴書・面接対策のサポートが受けられる
- 企業との面接調整をしてもらえるため、スムーズに転職活動が進められる
非正規から正社員登用を狙う
もう1つの方法は、最初は契約社員やパートとして働き、企業内で実績を積んで正社員登用を目指す方法 です。
障害者雇用では 「契約社員 → 正社員」の流れで登用されるケースが多い ため、この方法も有力な選択肢となります。
① 企業の「正社員登用制度」をチェックする
契約社員やパートの求人を探す際は、「正社員登用制度があるか?」を事前に確認することが重要 です。
求人情報の以下のような記載をチェックしましょう。
- 「正社員登用実績あり」
- 「入社6ヶ月後から正社員登用試験あり」
- 「一定の勤務実績を評価し、正社員登用を検討」
これらの記載がある求人を選ぶことで、正社員への道が開けやすくなります。
② 企業内での評価を高める
契約社員として働きながら 企業内で評価を得ることが、正社員登用のカギ となります。
企業が正社員登用する際に重視するポイント
- 勤怠が安定している(無断欠勤や遅刻が少ない)
- 業務の習得が早く、指示通りに仕事ができる
- 上司や同僚と良好な関係を築ける
- 積極的に学ぶ姿勢があり、スキルアップを意識している
「この人なら正社員として長く活躍してくれそうだ」と思われるように、日々の業務を丁寧にこなし、前向きな姿勢を示しましょう。
まとめ
障害者雇用で正社員になることは、決して簡単ではありません。
しかし、しっかりとした準備と戦略を立てることで、正社員として安定した働き方を実現することは十分可能です。
「最初から正社員として働きたい」「長期的に安定した職を探している」という方は、正社員の求人を探して応募する方法 が有効です。
ただし、障害者雇用枠の正社員求人は多くないため、ハローワークや転職エージェント、就労移行支援を活用しながら、より確実に採用につながる方法を選ぶことが大切 です。
「まずは企業に入社し、実績を積みながら正社員を目指したい」という方は、契約社員やパートとして働きながら、社内での評価を高めて正社員登用を狙う方法 もあります。
特に、障害者雇用では 「契約社員 → 正社員」 の流れで登用されるケースが多いため、 最初から正社員にこだわりすぎず、長期的な視点で働くことが成功の鍵 となります。
障害者雇用で正社員を目指す道は、一つではありません。
「自分にとってどの方法が合っているのか?」を考えながら、無理のない形で転職活動を進めることが大切です。
「スグJOB」などの障害者雇用専門の転職支援サービスを活用しながら、あなたに合った働き方を見つけていきましょう。
一歩ずつ、確実に前に進んでいきましょう。
あなたの未来が、より良いものになりますように。