視覚障害ってどんな障害?視覚障害の種類やお仕事事情を詳しく解説

視覚障害ってどんな障害?視覚障害の種類やお仕事事情を詳しく解説

視覚障害は、日常生活に大きな影響を与える障害の一つです。

目から得られる情報は、私たちが環境を理解し、日々の活動を行う上で非常に重要な役割を果たしています。

しかし、視覚に何らかの障害が生じると、日常生活や仕事においてさまざまな困難が発生します。

本記事では、視覚障害の定義や種類、そして視覚障害者の就労事情について詳しく解説していきます。

目次

視覚障害の定義と種類

視覚障害とは、視力や視野、色覚、光覚など、視覚に関連する機能に制限が生じ、日常生活に支障をきたす状態を指します。

視覚障害はさまざまな種類に分類され、それぞれの症状や対応方法が異なります。

ここでは、代表的な視覚障害の種類について説明します。

視力障害

視力障害は、視力が低下することで、物体を明瞭に見ることが難しくなる状態です。

視力障害は近視や遠視、乱視などの屈折異常に加え、白内障や緑内障などの眼疾患によっても引き起こされます。

視力障害が進行すると、通常の眼鏡やコンタクトレンズでは矯正が難しくなり、特別な補助具や手術が必要になる場合があります。

視野障害

視野障害は、視野の一部が見えなくなる状態を指します。

これは、網膜や視神経、脳に問題が生じた場合に発生します。

視野が狭くなると、周囲の状況を把握するのが難しくなり、特に移動時に障害物に気づかないなどの危険が伴います。

視野障害は、視野欠損やトンネル視と呼ばれる視野が極端に狭まる状態など、さまざまなタイプが存在します。

色覚障害

色覚障害は、特定の色を正確に識別できない状態を指します。

色覚異常とも呼ばれ、赤緑色覚異常が最も一般的です。

色覚障害は遺伝的な要因で生じることが多く、日常生活において色の違いを認識するのが困難になります。

特に色を識別することが求められる職業においては、適切な配慮が必要です。

光覚障害

光覚障害は、光に対する感度が異常に高いまたは低い状態を指します。

これにより、明るい場所で目が痛くなったり、逆に光を感じにくくなったりすることがあります。

光覚障害は白内障や視神経疾患などの影響で発生することがあり、外出時や屋内での照明環境に注意が必要です。

このように、視覚障害にはさまざまな種類があり、それぞれに異なる症状や対応方法が存在します。

次に、視覚障害者が日常生活で直面する課題と、そのサポート方法について詳しく見ていきましょう。

視覚障害者の日常生活とサポート

視覚障害者の日常生活には多くの工夫や支援が必要です。

視覚障害者が自立して生活するためには、さまざまな補助具の利用や日常生活での注意点を理解することが重要です。

ここでは、視覚障害者が利用する補助具や日常生活での注意点について詳しく紹介します。

視覚障害者が利用する補助具

視覚障害者は、補助具を活用することで日常生活をより安全かつ快適に過ごすことができます。

以下に、代表的な補助具を紹介します。

白杖

白杖は、視覚障害者が安全に歩行するための最も基本的な補助具です。

白杖を使うことで、前方の障害物や地面の状態を確認しながら移動することができます。

白杖は長さや素材に様々な種類があり、使用者の身長や歩行スタイルに合わせて選ぶことが重要です。

また、白杖を使用することで周囲の人々に視覚障害者であることを知らせる役割も果たします。

遮光眼鏡

遮光眼鏡は、強い光を遮るための眼鏡で、特に光覚障害のある人々にとって非常に有用です。

日光や蛍光灯の強い光に対して過敏な反応を示す場合、遮光眼鏡を使用することで光の刺激を軽減し、目の負担を減らすことができます。

遮光眼鏡はさまざまなデザインや色があり、使用者のニーズに合わせて選択できます。

点字

点字は、視覚障害者が文字を読むための方法です。

点字は、点の組み合わせで文字を表現し、触覚を使って読むことができます。

視覚障害者が本や文書を読む際には、点字の使用が非常に重要です。

また、点字ディスプレイや点字プリンターなどの技術も進化しており、視覚障害者の情報アクセスをサポートしています。

盲導犬

盲導犬は、視覚障害者の移動をサポートするために特別に訓練された犬です。

盲導犬は、障害物を避けるだけでなく、歩行者信号の確認や道案内なども行います。

盲導犬と共に生活することで、視覚障害者の自立度が大幅に向上します。

しかし、盲導犬を取得するためには特別な訓練と時間が必要であり、また日常のケアも重要です。

日常生活での注意点

視覚障害者が日常生活を送る上で、いくつかの注意点を押さえることが重要です。

特に学校生活や職場選びにおいては、適切な配慮が必要です。

学校生活における配慮

視覚障害のある学生が学校生活を送る際には、教室の座席配置や教材の点字化、視覚補助具の使用など、さまざまな配慮が必要です。

例えば、視覚障害者が前方の黒板を見やすいように座席を前列に配置したり、授業内容を音声や点字で提供することで学習を支援します。

また、学校全体で視覚障害についての理解を深めることで、クラスメートや教職員が適切なサポートを提供できるようになります。

職場選びのポイント

視覚障害者が働きやすい職場環境を選ぶためには、通勤のしやすさやオフィスのレイアウト、支援機器の導入状況などを考慮することが重要です。

通勤の際には、駅やバス停から職場までのアクセスが良好であることが望まれます。

オフィス内では、通路が広く、障害物が少ないレイアウトが働きやすさに直結します。

また、点字ディスプレイや音声読み上げソフトなどの支援機器が整っている職場は、視覚障害者にとって非常に働きやすい環境です。

視覚障害者の日常生活には、多くの工夫やサポートが必要です。

適切な補助具を利用し、日常生活での注意点を押さえることで、視覚障害者がより自立した生活を送ることができます。

また、学校や職場での適切な配慮と支援を受けることで、視覚障害者の生活の質を向上させることができます。

視覚障害者の就労と職業選択

視覚障害者が就労する際には、適切な職業選択と働きやすい職場環境が重要です。

視覚障害者の能力や適性に合った職種を選び、職場環境の改善を図ることで、社会での活躍の場が広がります。

ここでは、視覚障害者が活躍できる職種と、働きやすい職場環境の条件について詳しく紹介します。

活躍が期待される職種

あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師

あん摩マッサージ指圧師や鍼灸師は、視覚障害者が特に適している職種です。

これらの職業は視覚に依存せず、触覚や技術を駆使して行うため、視覚障害者の強みを活かすことができます。

また、専門的な技術を身につけることで、独立開業も可能です。

視覚障害者の中には、これらの職業で成功を収めている方も多く、社会的にも高い評価を得ています。

オフィスワークと事務職

オフィスワークや事務職も、視覚障害者にとって適した職種です。

パソコンを使用する業務が多く、音声読み上げソフトや点字ディスプレイなどの支援機器を活用することで、視覚障害者も効率的に仕事をこなすことができます。

データ入力や文書作成、電話対応などの業務を行うことで、組織の中で重要な役割を担うことができます。

語学を活かした翻訳業務

語学力を活かした翻訳業務は、視覚障害者にとって非常に魅力的な職種です。

翻訳業務は、文章を理解し、適切な言葉に変換する能力が求められるため、視覚に依存しないスキルが重視されます。

また、インターネットを利用した在宅勤務が可能なため、通勤が難しい視覚障害者にとっても働きやすい環境を提供します。

技術系職種

技術系職種、特にプログラミングやシステム開発などの分野も視覚障害者にとって適した職業です。

視覚障害者がプログラマーとして活躍するためには、音声読み上げソフトや点字ディスプレイなどの支援技術を活用することが重要です。

これらの職種は、専門知識とスキルを活かして高い技術力を発揮できるため、視覚障害者がキャリアを積む上で大きな可能性を秘めています。

働きやすい職場環境の条件

通勤のしやすさ

視覚障害者にとって、通勤のしやすさは非常に重要な要素です。

職場へのアクセスが良好で、駅やバス停から徒歩圏内にあることが望ましいです。

また、通勤ルートが安全でわかりやすいことも重要です。

視覚障害者が安心して通勤できる環境を整えることで、仕事へのモチベーションやパフォーマンスが向上します。

オフィスのレイアウトと配置

オフィス内のレイアウトは、視覚障害者にとって働きやすさに直結します。

通路が広く、障害物が少ないレイアウトが理想的です。

また、机や設備の配置がわかりやすく、一度覚えてしまえば簡単に移動できるような工夫が求められます。

視覚障害者がスムーズに移動できる環境を作ることで、ストレスのない働き方が実現できます。

支援機器の導入状況

視覚障害者が効率的に仕事を行うためには、点字ディスプレイや音声読み上げソフトなどの支援機器が整っていることが重要です。

これらの支援機器を活用することで、視覚情報を音声や触覚で得ることができ、業務の効率が飛躍的に向上します。

また、企業側も支援機器の導入や維持に積極的に取り組むことで、視覚障害者が働きやすい職場環境を提供することができます。

視覚障害者の就労には、適切な職業選択と働きやすい職場環境の整備が欠かせません。

視覚障害者が自身の能力を最大限に発揮できる職種を選び、支援機器や職場環境の改善を進めることで、社会での活躍の場を広げることができます。

視覚障害者が安心して働ける環境を提供する企業が増えることを期待します。

視覚障害者向けの就労支援と福祉サービス

視覚障害者が自立し、社会で活躍するためには、適切な就労支援や福祉サービスの利用が欠かせません。

多くの機関やサービスが視覚障害者を支援し、就労の機会を提供しています。

ここでは、視覚障害者向けの就労支援機関と利用可能な福祉サービスについて詳しく紹介します。

就職支援機関

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターは、視覚障害者の就労と生活を総合的にサポートする機関です。

職業相談や職業訓練、生活支援などを提供し、視覚障害者が職場で自立して働けるように支援します。

センターの専門スタッフが個別のニーズに応じたサポートを行い、適切な職業選択と職場適応を助けます。

就労移行支援事業所

就労移行支援事業所では、視覚障害者が一般企業で働くための訓練やサポートを提供しています。

具体的な業務を通じて必要なスキルを習得し、実際の職場環境に適応するための訓練を行います。

また、就職活動の支援や面接対策なども行い、視覚障害者が就労の第一歩を踏み出す手助けをします。

地域障害者職業センター

地域障害者職業センターは、地域に密着した就労支援を提供する施設です。

職業相談や職業訓練を通じて、視覚障害者が適切な職業を見つける手助けをします。

さらに、就職後のフォローアップを行い、職場での課題や問題を解決するための支援を提供します。

ハローワーク

ハローワークは、視覚障害者を含むすべての求職者に対して職業紹介や就職支援を行う機関です。

専門の相談員が視覚障害者のニーズに合わせた職業情報を提供し、適切な職業選択をサポートします。

ハローワークの求人情報は多岐にわたっており、視覚障害者が自分に合った仕事を見つけるための重要なリソースです。

障害者向け就職エージェント

障害者向けの就職エージェントは、視覚障害者に特化した求人情報を提供し、就職活動を支援するサービスです。

個別のカウンセリングや面接対策、職場見学の手配など、視覚障害者の就労を全面的にサポートします。

エージェントを活用することで、自分に適した職場を見つけやすくなります。

利用可能な福祉サービス

地域生活支援事業

地域生活支援事業は、視覚障害者が自立した生活を送るための支援を提供します。

移動支援や生活援助、情報提供など、日常生活に必要なサポートを行います。

地域生活支援事業を利用することで、視覚障害者が安心して地域社会で生活できるようになります。

居宅介護

居宅介護は、自宅での生活を支援するサービスです。

視覚障害者が日常生活を円滑に送るための介助やサポートを提供します。

居宅介護サービスは、食事の準備や掃除、買い物のサポートなど、日常生活のさまざまな場面で役立ちます。

通所・入所施設サービス

通所・入所施設サービスは、日中活動や生活支援を行う施設を利用するサービスです。

視覚障害者が安心して過ごせる環境が整えられており、日常生活のサポートや社会参加の機会を提供します。

施設では、さまざまなプログラムや活動が行われており、視覚障害者の生活の質を向上させます。

補装具費の支給

補装具費の支給は、視覚障害者が必要な補装具を購入する際の費用を支援する制度です。

白杖や遮光眼鏡、点字ディスプレイなどの補装具が対象となります。

この制度を利用することで、視覚障害者が必要な補装具を手に入れやすくなり、日常生活や就労において自立を促進します。

視覚障害者が自立して社会で活躍するためには、適切な就労支援と福祉サービスの利用が重要です。

これらの支援を活用することで、視覚障害者が自身の能力を最大限に発揮し、豊かな生活を送ることができます。

視覚障害の認定基準と障害年金

視覚障害を持つ方々が適切なサポートを受けるためには、視覚障害の認定基準と障害年金の仕組みを理解することが重要です。

ここでは、視力障害の認定基準と障害年金受給の実例について詳しく説明します。

視力障害の認定基準

視力障害の認定基準は、障害年金の受給資格を決定する際に重要な役割を果たします。

視覚障害が日常生活にどれほどの影響を及ぼしているかを客観的に評価するために、いくつかの方法が用いられます。

その中でも代表的なものが、自動視野計とゴールドマン型視野計による評価です。

自動視野計による基準

自動視野計は、視覚障害の程度を測定するために使用される機器で、視野の範囲や感度を自動的に測定します。]

この機器を使用して、視覚障害者の視野がどの程度制限されているかを具体的に把握します。

自動視野計の測定結果に基づき、視野欠損の程度や範囲が一定以上であれば、視覚障害として認定されることになります。

特に、視野が一定の中心部分に限られているか、または周辺視野が広く欠損している場合に、障害の認定が行われます。

ゴールドマン型視野計による基準

ゴールドマン型視野計は、手動で視野を測定する方法で、視覚障害の評価に用いられます。

この方法では、測定者が異なる強度や大きさの光を使用して、患者がどの程度の視野を持っているかを確認します。

ゴールドマン型視野計は、特に視野の微細な部分まで測定できるため、より詳細な視野の状況を把握することができます。

この測定結果に基づき、視覚障害の程度が判断され、障害年金の受給資格が決定されます。

測定結果が一定の基準を満たす場合、視力障害として認定され、障害年金の対象となります。

このように、視覚障害の認定は、精密な視野測定によって行われ、日常生活における支障の程度に応じて適切な支援が受けられるようになっています。

障害年金受給の実例

障害年金は、視覚障害者が日常生活を維持するための重要な支援です。

ここでは、視覚障害の中でも代表的な疾患である網膜色素変性症、緑内障、網膜剥離の事例をもとに、障害年金がどのように受給されているかを紹介します。

網膜色素変性症の事例

網膜色素変性症は、網膜の細胞が徐々に機能を失う遺伝性の疾患です。

初期症状として夜盲や視野の狭窄が現れ、進行すると視力が著しく低下し、最終的には失明に至ることもあります。

この病気が進行し、日常生活に支障をきたす段階になると、障害年金の受給対象となります。

実際の事例では、視野が極端に狭くなる段階で年金申請が行われ、視覚障害の認定を受け、障害基礎年金を受給しているケースが多く見られます。

緑内障の事例

緑内障は、眼圧の上昇によって視神経が圧迫され、視野が徐々に狭くなる疾患です。

症状が進行すると、視野がトンネル状に狭まり、日常生活において重大な影響を及ぼします。

緑内障による視野欠損が広がり、視覚障害として認定されると、障害年金の対象となります。

具体的な事例では、視野が20度以下に制限される段階で年金申請が認められ、障害等級2級や3級での受給が決定されるケースがあります。

網膜剥離の事例

網膜剥離は、網膜が眼球から剥がれることで視力が急激に低下する疾患です。

放置すると失明のリスクが高まるため、早急な治療が必要です。

しかし、治療後も視力が回復しない場合や、視野欠損が残る場合には、障害年金の受給対象となります。

ある事例では、治療後も視力が0.1以下に留まり、視覚障害として認定され、障害等級2級で障害基礎年金の受給が認められたケースがあります。

これらの事例は、視覚障害による生活への影響が大きい場合に、障害年金が重要な支えとなることを示しています。

障害年金の申請には、医師の診断書や視野計の結果が必要となるため、適切なタイミングでの申請が重要です。

まとめ

視覚障害は日常生活や職業生活に大きな影響を与えますが、適切なサポートと工夫により、自立した生活を送ることができます。

視覚障害者が働きやすい職場環境や就労支援サービスを活用することで、社会での活躍の場を広げることが可能です。

視力障害の認定基準や障害年金の受給条件を理解し、必要な支援を受けることが重要です。

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