
潰瘍性大腸炎でも働ける!向いてる仕事と転職成功のポイント
潰瘍性大腸炎は、腸に炎症や潰瘍ができる病気です。
お腹の痛みや下痢、疲れやすさなど生活に大きく影響する症状があるため、仕事を続けられるか不安になる方も多いのではないでしょうか。
ですが、潰瘍性大腸炎を持っていても、自分に合った職場や働き方を選ぶことで、無理なく仕事を続けている方もいます。
最近は、テレワークやフレックス制度を導入する企業も増えてきました。
そのため、体調に合わせた働き方が選べるようになっています。
この記事では「潰瘍性大腸炎を持つ方の仕事」をテーマに、病気の基礎知識から働きやすい職場の条件、向いている仕事、就職や転職で役立つ制度までわかりやすく解説します。
また、障害者手帳や障害年金についても触れ、安心して仕事を続けられる方法をご紹介します。
「私に合った仕事はあるのかな?」と感じている方に、少しでも安心できるヒントを届けたいと思っています。
潰瘍性大腸炎の基礎知識と仕事への影響
潰瘍性大腸炎は、厚生労働省が「指定難病」として認めている病気のひとつです。
腸に炎症が起こる病気で、人によって症状の出方や治療法は少しずつ違います。
そのため、生活や仕事への影響も人それぞれ異なります。
ここでは、潰瘍性大腸炎の特徴や症状、治療の基本、そして仕事にどんな影響があるのかを解説します。
潰瘍性大腸炎の概要と症状
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症や潰瘍ができる病気です。
「指定難病」にも認められていて、厚生労働省が定める難病のひとつです。
発症原因は明確になっていませんが、発症年齢は男女ともに20代がピークで、比較的若いうちに発症する方が多いです。
代表的な症状には下痢、血便、腹痛、発熱、倦怠感などがあり、進行すると体重減少や貧血を伴うこともあります。
さらに関節炎や皮膚の炎症など、腸以外に合併症が現れることもあります。
潰瘍性大腸炎の診断には、大腸内視鏡検査で粘膜の炎症や潰瘍の状態を確認する方法が基本です。
必要に応じて組織を採取して病理検査を行い、血液検査で炎症や貧血の有無を調べます。
診断の際は他に感染症との鑑別も行われます。
また、良くなって落ち着く「寛解期」と、症状が悪化する「再燃期」を繰り返すのも特徴です。
仕事に影響することも多く、急な体調不良やトイレに行く回数の多さで困る場面が出てきます。
主な治療方法と日常生活への配慮
治療は薬を使う方法が基本です。
5-ASA製剤、ステロイド、免疫調整薬(免疫抑制剤)、さらに近年は生物学的製剤も使われています。
症状が強い場合や薬でコントロールできない場合は、外科手術(大腸の切除)が検討されることもあります。
日常生活では次のような工夫が必要になります。
- 消化にやさしい食事をとること(繊維質や脂質の多いもの、刺激物等を避ける)
- 規則正しい生活習慣を意識すること
- ストレスをためないようにすること
- 睡眠と休養をしっかりとること
これらを守ることで、症状を安定させて仕事と両立しやすくなります。
クローン病との違いと特徴
同じ「炎症性腸疾患」に分類される病気に「クローン病」があります。
両者は似ていますが、大きな違いがあります。
- 潰瘍性大腸炎は「大腸だけ」に炎症が起こる病気です。
- クローン病は「口から肛門までの消化管のどこにでも」炎症が起こる病気です。
潰瘍性大腸炎は症状が現れる部位が大腸に限定されているため、治療方針は比較的明確になりやすいとされます。
しかし治療が難航したり、再燃することも多く、継続して長期的な管理が必要です。
仕事に与える具体的な影響
体調管理の必要性
潰瘍性大腸炎の方が仕事を続けるために、一番大切なのは体調管理です。
食事や服薬を守り、体力を無理なく使いながら働くことになります。
通院頻度と勤務調整
潰瘍性大腸炎では、定期的な通院が欠かせません。
そのため、勤務時間を柔軟に調整できる会社であれば安心して働けます。
障害者雇用枠の求人では、通院配慮が受けられるケースも多いです。
転職活動では、こうした制度があるかどうかをしっかり確認するのがおすすめです。
潰瘍性大腸炎の方に向いている仕事環境
潰瘍性大腸炎を持ちながら働くときには、仕事内容だけでなく「どんな環境で働けるか」が重要です。
体調に合わせて柔軟に動ける環境があると、安心して仕事を続けやすくなります。
ここでは、潰瘍性大腸炎の方が働きやすい職場の条件や、工夫できるポイントをご紹介します。
働きやすい職場の条件
トイレにいつでも行ける環境
潰瘍性大腸炎の特徴のひとつは、急にトイレへ行きたくなることです。
そのため、自由にトイレに行ける職場であることは安心して働くために欠かせません。
工場のライン作業や接客業など、席を離れにくい仕事よりも、事務職や在宅勤務のように自分のペースで動ける仕事の方が向いています。
オストメイトトイレの設置状況
人工肛門(ストーマ)の手術を受けた方にとっては、オストメイト対応トイレの有無が大切になります。
大手企業や公共施設では整備が進んでいますが、中小企業では設置が追いついていないこともあります。
職場だけでなく、オフィス周辺のトイレ環境も含めて確認しておくと安心です。
在宅ワーク・テレワークの活用
在宅勤務やテレワークは、潰瘍性大腸炎を持つ方にとって取り入れやすい働き方の一つです。
自宅であればトイレの心配も少なく、体調に合わせて働けます。
IT系や事務系の仕事では在宅求人が増えているので、積極的に活用してみましょう。
ストレスが少ない職場環境の重要性
潰瘍性大腸炎は、ストレスが強いと症状が悪化しやすい病気です。
長時間の残業や人間関係のストレスが多い職場では、体調が不安定になりがちです。
だからこそ、ストレスが少なく穏やかな職場を選ぶことが、長く働き続けるためのポイントになります。
面接のときには、会社の雰囲気や社員同士の関わり方をチェックし、安心して働けそうかを見極めましょう。
理解ある職場風土と配慮事項
通院への配慮と休暇制度
潰瘍性大腸炎では、定期的な通院や急な体調不良による休暇が必要になることがあります。
障害者雇用枠のある企業では、通院や休暇への配慮を受けられる場合があり、比較的働きやすい環境が整っていることがあります。
食事の自由度と休憩時間
潰瘍性大腸炎の方には、食事制限が必要なケースもあります。
そのため、自由に食事がとれる環境かどうかも重要です。
社員食堂の利用が必須ではないか、自分で食事を持参できるかどうかを確認しておくと安心です。
また、休憩時間を体調に合わせて調整できる職場であれば、無理をせず落ち着いて過ごすことができます。
潰瘍性大腸炎の方におすすめの職種・求人
「どんな仕事なら続けられるのだろう?」と悩む方は多いと思います。
潰瘍性大腸炎を持つ方には、体調に合わせやすい仕事や、柔軟な働き方ができる職種があります。
ここでは、具体的におすすめの職種や求人の特徴をわかりやすく説明します。
適性の高い職種と業界
潰瘍性大腸炎の方に向いているのは、次のような特徴を持つ仕事です。
- デスクワーク中心の事務職
体力的な負担が比較的少なく、トイレにも行きやすい環境が整いやすいのがメリットです。 - IT・Web関連の仕事
業界全体で在宅勤務やフレックスタイムが普及しており、体調に合わせた働き方に配慮してもらえることがあります。 - クリエイティブ職(デザイン・ライティングなど)
成果物ベースで働けるため、自宅で作業しやすいのが特徴です。
一方で、立ちっぱなしの接客業や、トイレに行きにくい工場ライン作業などは、負担が大きく不向きな場合があります。
具体的な求人事例
大手企業での障害者雇用枠
大手企業は、障害者雇用に積極的な傾向があります。
一般事務や総務、経理などで募集が多く、通院や勤務時間への配慮を受けやすいのも特徴です。
安定した環境で長く働きたい方に向いています。
⇒ スグJOBで大手企業の求人を探す
IT・事務系の在宅ワーク求人
在宅勤務の求人は、潰瘍性大腸炎を持つ方にとって安心できる選択肢です。
プログラマー、Webデザイナー、ライターなど、自宅で働ける職種ならトイレや食事の心配が少なくなります。
再燃期でも無理をせず、マイペースに働けるのが大きな利点です。
⇒ スグJOBで在宅勤務のできる求人を探す
柔軟な勤務体系を持つ企業
フレックスタイムや時短勤務を導入している企業もおすすめです。
「朝は体調が安定してから出社できる」
「週3〜4日勤務から始められる」
このような柔軟な働き方ができる職場なら、体調に合わせながら安心して仕事を続けられます。
⇒スグJOBでフレックスタイム制の求人を探す
障害者手帳・障害年金の取得について
潰瘍性大腸炎は「指定難病」に含まれており、症状が重い場合は障害年金を受給できる可能性があります。
また、難病患者等を対象とした公的な就労支援制度の利用も可能です。
ただし、身体障害者手帳の対象となるケースは限られます。
もし支援制度の対象となる場合は、これらを活用することで、就労支援や経済的なサポートを受けながら働くことができます。
ここでは、それぞれの制度の概要と注意点について解説します。
障害者雇用での就労可能性
障害者手帳を持っていると、障害者雇用枠での応募が可能になります。
企業は法律で一定数の障害者を雇用する義務があるため、採用のチャンスが広がります。
さらに、手帳を持つことで「合理的配慮」を受けやすくなります。
たとえば、通院のための勤務調整や、在宅勤務、体調に合わせた働き方などです。
また、就労移行支援や職業リハビリテーションなど、さまざまな公的支援制度を利用できるのも大きなメリットです。
障害年金の受給要件と事例
潰瘍性大腸炎は、症状が重く、日常生活や仕事に大きな影響が出ている場合、障害年金の対象となることがあります。
特に近年は障害年金の受給ハードルが上がっているといわれていますが、受給できるかどうかは、医師の診断書や生活の制限度合いなどをもとに判断されます。
障害厚生年金2級・3級の認定事例
- 2級認定の事例:1日に10回以上の下痢や血便があり、体重減少も大きい。人工肛門造設を行ったが完全排尿障害があり、自己導尿が必要になるなど、日常生活や就労が大きく制限されているとき。
- 3級認定の事例:人工肛門造設を行っている。症状のため制限はあるものの、ある程度の仕事ができる。
※3級は障害厚生年金のみの等級となります。
このように、症状の程度によって受給できる年金の等級が変わります。
申請時の注意点と必要書類
障害年金を申請するには、いくつかの書類が必要です。
- 医師の診断書(所定の用紙)
- 病歴・就労状況等申立書
- 年金手帳や基礎年金番号、マイナンバーがわかる書類
- 戸籍や住民票などの身分証明書
- 障害年金を受け取る金融機関の通帳など(本人名義)
特に大事なのは、初診日の証明です。
最初に病院を受診した日の記録がないと、申請が認められないケースもあります。
紹介状や診療記録などをしっかり保管しておくことが大切です。
初診の病院から診断書が取れない場合は、受診状況等証明書を添付しましょう。
また、障害年金を受給できたとしても、1年から5年の有期認定である場合が多いです。
その場合は、期間ごとに再認定が必要なことに気を付けましょう。
潰瘍性大腸炎をお持ちの方の仕事探しの方法
仕事を探すときには、1人で進めるのは大変に感じることもあります。
ですが、支援サービスや相談先を利用すれば、負担を減らして仕事探しを進められます。
ここでは、潰瘍性大腸炎の方が活用しやすい機関や転職サービスについてご紹介します。
ハローワークの活用
全国にあるハローワークには、障害者専用の窓口があります。
ここでは、障害者雇用枠の求人を紹介してもらえたり、応募書類の書き方や面接練習のサポートを受けられます。
また、生活面も含めた相談ができる「障害者就業・生活支援センター」と連携しているのも安心ポイントです。
地域障害者職業センターの利用
地域障害者職業センターでは、専門のカウンセラーやジョブコーチがサポートしてくれます。
職場体験や実習の機会があり、実際に働くことをイメージしやすくなります。
潰瘍性大腸炎の方には、通院や体調管理を考慮した働き方のプランを一緒に作れるのが魅力です。
就労移行支援事業所の利用
就労移行支援事業所では、ビジネスマナーやパソコンスキルを学んだり、模擬的な就労体験ができます。
生活リズムを整えながら働く準備ができるので、寛解期と再燃期を繰り返す潰瘍性大腸炎の方にも安心です。
障害者雇用に特化した転職サイトの活用
インターネットで求人を探すときは、一般的な転職サイトよりも、障害者雇用専門のサイトを使うのがおすすめです。
最初から「合理的配慮あり」を前提とした求人が多く、安心して応募できます。
当社が運営するスグJOBは、潰瘍性大腸炎を含む病気や障害に配慮した求人を多数掲載しています。
求人検索だけでなく、キャリアアドバイザーが一人ひとりに合った仕事探しをサポートしてくれるのも強みです。
「病気を理解してくれる職場で働きたい」
そんな方にとって、心強い味方になるはずです。
まとめ
潰瘍性大腸炎は、腹痛や下痢などの症状があり、仕事との両立に不安を感じる方も少なくありません。
ですが、治療と体調管理を続けること、そして理解のある職場環境を選ぶことで、安心して働き続けることができます。
この記事では、以下のポイントをお伝えしました。
- 潰瘍性大腸炎は寛解期と再燃期を繰り返す病気で、勤務調整や通院への配慮が必要になること
- トイレに行きやすい環境や、在宅勤務、フレックス制度などがある職場が働きやすいこと
- 事務職やIT系、在宅ワークなどが特におすすめの職種であること
- 障害者手帳や障害年金を活用すれば、制度的なサポートを受けられること
- 公的機関や障害者雇用に特化したサービスを使うことで、仕事探しが安心できること
潰瘍性大腸炎を持っていても、自分に合った仕事や働き方を見つけられる可能性があります。
在宅ワークや障害者雇用枠の広がりによって、選択肢もどんどん増えています。
もし「病気に理解のある職場で働きたい」「配慮を受けながら就職したい」と思った方は、ぜひスグJOBをご活用ください。
専門のキャリアアドバイザーが、あなたに合った求人を一緒に探し、就職から定着までをサポートします。
あなたの体調やライフスタイルに合った働き方を見つけて、安心して新しい一歩を踏み出していきましょう。
スグJOBは求人数トップクラス!
障害者採用枠の求人情報に興味が ある方はスグJOB障害者へ
障害者採用枠の求人情報に 興味がある方はスグJOB障害者へ
この記事の執筆者
2012年スクエアプランニング株式会社を設立。2016年より障害者パソコン訓練を愛知県の委託を受けて開始。人材ビジネス20年以上の経験をもとに様々な障害をお持ちの訓練生に対して社会進出、社会復帰のお手伝いをさせて頂いております。 今後もより多くの方に安心や自信を持って頂くことを念頭に、様々な情報発信をしていきたいと考えています。